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すごくいい場所
「はい」おれはすなおに返事をした。
王は何かを言いかけてやめると、足元に来た動物を抱え上げて撫でる。
カエルがさらに数歩近付いた。
「おれの言った言葉の意味がわかったか?」
『お前はずっと守られてきた』
『ここに生きているその事実を』
頭の中で言葉はまわるが
「わかったのかどうかは、わかんねえよ。おれは自分で思ってるほど利口じゃなくて、馬鹿だってことはよくわかったけど」
見合ったカエルの黒目におれが写っている。
「 一人で生きてきたつもりでも、そんなことあるはずはない。 皆、生かされてきている。お前も、おれも。 お前が思ってるほどお前は大人じゃなくて、お前が思ってるほど皆に不必要だとは思われていないということだ。 よく見ろ。今いる場所がお前の場所だ。そこは今までのお前がつくった所だぞ。逃げずに残ったそこの居心地は、どうだ?」
おれは、なんとなく周りを、見回した。そうしたら、みんなと目が合って、さいごにワッカとめがあった。
「・・・すごく、いい所だよ」
すごくうれしそうにワッカが笑った。




