嫌いな理由
窓が小さすぎるんだ。
壁が全て書物で埋まったこの家の中は、いつも薄暗くって。
「ふん。で、結局行くのか?」
カエルはその離れた目と目をつなぐような眼鏡を押し上げた。そのガラスに、ろうそくの火が映っている。
「《テングの巣》だろ? どうするかな・・・」
話終えたおれは寝転がって天井の木材を数えていた。
「違う。陸の外へだ。しかし、」カエルは低い声でぐつぐつ笑うと続けた。「 そうだな。テングの巣には行くといい。おれはすすめる。サザナとエンは恩人だろう?しっかり挨拶をしてくるんだな」
「まあな。 ・・・なあ、ジリに」
「ジリには何も言うなよ。面倒になる」
その大きく飛び出た金色の目に、半分膜がかかった。
「わかったよ。あのさあ、カエルは、ヒトがテングのこと嫌いなわけ、知ってるのか?」
やつの目から、膜がすっとさがった。だが、口を開けるまでしばしの間。
「・・・まず、テングは翼以外ヒトと同じカタチだ。おれのようにもっと異なれば良かったが、あまりに似すぎている。そしてその翼でテングは、飛ぶからな。ヒトは怖がる」
「それだけ?」
だから、嫌?




