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見えすぎた
王の椅子の横でサザナは腕を組み微笑んでいて、ジリと顔を見合わせた。
「じゃ、じゃあなんでエンを撃ったりしたんだよ?」
おれの頭が少し混乱する。
「あれは・・・すまない。フッタ」
「謝らなきゃならないのはおれだよ。あれは、ジリも予定外だったんだ」
ジリの前に出たヤシナが、はじめて暗い顔をみせた。
「 ―― 月が予想外に明るすぎて、エンがはっきり見えすぎた。ジリの矢をかすめてエンが落ちるところをお前に見てもらうつもりだったんだ。でもあれじゃあ翼まではっきり見えてて、しかたないから、おれが『力』をくわえて少し掠り当てるぐらいの気持ちだったんだが、風きり羽に当てちまった。エンは本当に落っこちて、翼を傷めた。だから、おれとジリはやっぱり罰を受けなきゃならない」
『おれ』とジリ・・・。




