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カエル シルス フッタ ノ ハナシ  作者: ぽすしち
新しい道

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177/217

ジリもフッタも


「すまない」

 ジリは改めて頭を下げた。

 助けるようにヤシナが続ける。

「ジリはなにもかも黙って、ヒトとテングの仲を直そうとしただけさ。 それに、言えるような状況じゃあなかっただろ?ジリが子供の頃にはもう《テング》に助けられたって、言える状況じゃあなかったんだから」


「なんだって?」

 ジリが、おれと同じようにテングにたすけられてた?


「ジリ、お前・・・」

 長老がぽかんとした顔になり、ふるえる指をむける。

「あ、あの、カニをやっつけると、いなくなった時か?大騒ぎで夕方カエルの家から帰ってきて・・・」


 カニを?驚いてジリを見上げたら、ジリは赤い顔をようやく上向けて、もぞりと言った。

「 そうだ。あの年おれの家がカニに潰されて親父が死んだ。おれは一人でカニを退治するつもりだったんだ。沼で、フッタのように落ちそうになったところを、そこの、サザナとエンに助けられた」




  「「なんだって!?」」おれと長老の叫びが重なる。




      ※      ※



 「へーき、へーき。」

 子供が袋を担いで歩いていた。その先にあるのは深い森。でも目指しているのはそのさらに先にある蒼い水。

 「見晴台から見えるんだ。そのうちつくんだ。へーき」

 おまじないを教えてもらった。手をぎゅっと閉じて振り回せば『怖い』ものは寄ってこないって。




  だからその小さな拳をずっと振り回している。








     ※      ※




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