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キリが考えた
「《ジリの子ども》、ようは、おれとフッタなんだけど、連れ去られたんじゃないよ。 ジリとキリが話し合って、テングに差し出したんだ」
なに?
「 生まれたおれはすぐにサザナと時間を飛んで四年後のジリに渡される。それがこのフッタだよ。だから俺は十四年間ジリと離れずに一緒にいたわけだ。ジリには四年待ってもらったけどさ」
「じゃ、じゃあフッタとジリは・・・」
「本当の親子だよ。長老。これを、考え出したのは、おれのおふくろの、キリだ」
ヨクニが腰を抜かしたようにそのまま後ろによろけ、受け止めたヒトの塊がざわつき、ジリの手がぎゅっと縮まるのが見えた。
ヤシナが後ろからおれの顔を覗く。
「ヒトもテングもカエルも好きだったおれのかあちゃんのキリは、ヒトとテングのこれからを心配してた。なぜなら自分が子供を産んだら、もう生きていられないって、知っていたからさ」
「じ、ジリ、本当か!?」支えられたヨクニが叫ぶ。
ジリは黙って自分の足元を睨んでいるだけで、「本当だ」とこたえたのはカエルだった。




