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始まった裁き
「 ―― なんだよ?迷惑そうな顔して」 おれを見たヤシナが頭を小突く。
「これより、裁きをはじめる!」
大声でカエルが宣言し、赤い布を肩に巻いた。
「皆座れ。疲れるぞ」
王が組んだ足に肘をのせてため息を漏らした。
だがヒトは座らない。
カエルは無表情に王を振り返ったままで何かを待っている。
「あ、そうか、うん、始めていいぞ」
王はつまらなさそうにうなずいた。
「ではヒトの長よ、前へ!」
ヒトの間から長老がよたりと出る。
ワッカがすぐに手を貸してやり、ヒトの塊の前に出た。
おれは少し心配になる。長老の具合じゃあなくて、これから何を言うのか。
「 空を、 ―― 生まれて初めて飛んだもので、少しばかり腰がしっかりいたしません。お許しを」 しっかりとした声をだし、ゆっくりと体を折った。
カエルがあの赤い布をとりだし、ヒトとサザナが対面した時のことを思い出す。ずいぶん昔のような気がするが、あれは昨日の出来事だ。
「おお、それはいかん。カエル、早く座らせてやれ」
「いえ、ヒトの長として立ってお話をいたします」
その態度を見て、心配した事が的中してしまった気がした。
だめだ。 繰り返したら。




