ワッカのすごいところ
「フッタ!」
カエルの後ろにかたまったヒトの中から、ワッカが手を振っている。
「空を飛んで気分が悪くなったものは休ませております」カエルに続いて「かあちゃんも休んでるよ!」ワッカが叫ぶ。王とヤシナが笑った。
「ヒトはここへ」
カエルがおれたちの隣を指し示す。
皆恐る恐る進むのに、ワッカは走っておれのところへ来た。
「 フッタ、僕も飛んだよ。すっげえ気持ちよかった。いいよなあ。テングは」
そうか、フッタも好きなんだ。
もっと早く、いっしょにとべるようサザナに頼んでやればよかった。
「これから、まだ飛べるさ」
何も言えないおれの横からヤシナがワッカの頭をたたいて笑った。
「そうかな。ああ、ヤシナ、ごめん。僕ヤシナのこと嫌だったんだけど、いいヒトなんだね。誤解してたよ」
こういうことをすぐに言えるのがワッカのすごいところで、「そうか?」ヤシナはうれしそうだ。
「で、なんでヤシナのこと嫌だったかわかったよ」
ワッカがおれにうなずいた。
「フッタとヤシナが似てるからだよ。なんかいきなり違う兄弟が出てきたみたいでさ。嫌だったんだ」
ヤシナを見上げた。
こいつと?
ヤシナは大笑いして、
「ワッカはやっぱすげえよな。ほら、あっちに並べ」と背をたたいた。




