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おまえがフッタか
「おう、来たか」
腰掛けていたのは大きな岩だが、その岩よりもそのテングはでかい。
おれたちに笑いかけた。
「お前がフッタか?会いたかったぞ」
考えていたような厳めしさはなく、その声も太く心地よく響き渡る。
「あ、・・・フッタ、です。えっと」
「まあかたくなるな。動物たちが警戒する」
「王、一度こちらに戻っていただけますか?」
サザナが岩肌に彫りこまれたその椅子をさした。
そのサザナをみてから、『王』がこっちに身をのりだした。
「あいつ、おっかないだろ?でもこれでも昔よりは良くなったんだぞ」
「王」
再度後ろから声をかけられると、おっくうそうに、サザナより大きな体をぐうと持ち上げるように動く。
立ち上がったその体は黒と白の布で覆われ、顔から判断できる年には不似合いなほど若く張った腕が出ている。
動物たちが、王の後をついてゆく。




