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テングの王
「会いたいのか?後で会える。 それにしても、わたしはフッタに謝られる覚えはないぞ。それよりも肩の傷は平気か?」
サザナは腕を組み、いつもの顔で笑った。
ようやくおれの体から力が抜け、そうしたら肩が痛みだした。
「おれ、ちゃんと王に話して裁きは受けるよ」
サザナは微笑んだだけだったが、代わりに前にいるジリがつぶやく。
「そうだな。王にお会いせねば」
サザナはそれにも微笑み、二人は目を合わせてうなずいた。
・・・何だか・・へんだ・・・。
その穴は細く曲がりくねりどこまでも続くようだったのに、いきなり広い空間へ出ておれは上を見上げた。今度はそこに穴はなく、暗く上へと続く岩の壁にはいくつもの切り出されたような棚があり、ランプと似た器具が大きな炎をゆらめかせている。ここにある明かりはそれだけだった。
ぼうっとした明るさの広間の真ん中に、花と緑と見たこともない動物たちに囲まれて、黒い翼をもつテングの王は座っていた。




