160/217
もっと
サザナはカニが群れる森の上を飛んでいて、時々奴らの足が掠める。
「上がらんな」
ジリがつぶやいた。
つられて見ると、なるほどテングにぶら下がったヒトの輪は、中々高く飛べずによたり、上下する。
「あれじゃあ、カニに食われるぞ。もっと高く飛ばないとな」
「なんだよ!じゃあ親父どうにかしろよ!」
「おれにはできん」
ジリはあっさりと答え槍を渡す。
「わかったよ!ちくしょお!」
ヤシナは袖で額の汗をぬぐい、次にうけとった槍をつがえた。
「 今だってけっこういっぱいなのによお! いくぞ! う、」
っしゃああああああああああああああああ!!
槍はすごい速さでむこうのサザナをめがけて飛び、サザナを通り過ぎカニにささってはじける。
後ろから何かを感じて振り向くと、男たちの輪がなにかの『力』をえたように、ぐううっと空高く上がってゆく。
ヤシナが、『力』で槍をとばし、ヒトももちあげてる?
「う、そだろ・・?」すげえ。




