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おれの荷物
静まり返った群集に見つめられヤシナが厳しい声を出す。
「おれが予定してる時間から少しでもずれれば、それでおしまいだ。協力してくれ。いいか、みんなの《狩りの道具》はおれの前に。矢と槍だけでいい。刃の向きをそろえて置いてくれ」
その命令に従い男達が次々とかがんで、ヤシナにそれを供えてゆく。
見る間に棒の山ができた。ジリがさらにそれを整える。
「みんな置いたか?よし、そうしたらなるべく三、四人で集まって、手をつないでくれ」
真剣なヤシナの言葉に皆が笑う。
「なんだよ、踊ろうっていうのか?」
よし、今だ。
「踊る前におれの荷物を見てくれよ」
おれは袋をしっかり抱えて棒の山の前に出た。
落ち着けと自分に言い聞かせ、ヤシナを見上げて袋をぎゅっと抱く。
ヤシナが口端をあげた。
ばれたか?
「よし、―― 来たな」
まるで待っていたかのようにヤシナが小さくつぶやいた。




