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何か考えがある
「お前はこっちだ。フッタ」
カミサンたちの輪から、はみだしたおれに気づいたヤシナが肩をつかんできて、傷が痛いけどぐっとこらえた。
こいつにだけは負けたくない。
「ああ、悪い。痛かったか?ここに入れ。お前は怪我人だし、まだ子供だ」
ああ、知ってるよ。
おれは袋を抱えて、やさしく笑いかける奴におとなしく従う。
「フッタ!」
ヒトをかきわけてワッカが出てきた。
「どうしたんだよ?おとなしいな」
ちらりとヤシナを振り返り小声で聞いた。
「まあな。おい、サーナから離れるなよ。おれはお前に『かあちゃん』預けたんだからな」
その答えにワッカは痛くないほうの肩を叩いて抑えるような笑いをこぼした。
「そうか、何か考えがあるんだね。じゃあ僕、かあちゃんのとこにいるよ」
ヒトの間にちらりと見えたサーナはおれのことを伸び上がるように探していた。そこへ戻ってゆくワッカの姿を見送り、ヤシナに目を転じたら、むこうのジリと目が合って、慌ててそらす。




