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カエル シルス フッタ ノ ハナシ  作者: ぽすしち
※※

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146/217

※※ とどかなかった


     ※    ※  






 カエルの所で船の書物を探していたらドアがゆっくりと開いて、おかしな立ち方をしたエンが月に照らされていた。

「何してた・・・  どうした?」


 服からは水が滴りその髪はおかしな乱れようで、おろした肩口から先がなかった。


「お前髪を、いったい・・・」

「早く入れ」

 カエルの冷静な声がする。

 わたしは入り口を塞ぐように立っていたことに気付き、慌ててエンを抱えるように連れて入った。


「湯を沸かそう。布もあるだろう」

 カエルはさっさと奥に消えた。


「おい、エン」

「た、・・・助けられませんでした」

「何を?」

「狩の船に乗って外の海にいたから、間違って出たのかと、」

「ヒトか?」

 今日のように月が明るい夜は、海に罠をかけに出ている。

 エンはランプの明かりにもひどいと思える顔色で震えていた。

「 船を戻すかと聞いたら『他の陸を見にゆくのだからかまうな』と」



「それは、首に緑の石をつけていたか?」


 いきなり戻ったカエルの声にエンがびくりとした。

「そ、そうだ。手を、ふ、振り回して、『怖くないぞ』と叫んだ。わたしは離れて見送るか、ジリに知らせるか考えて、いた、ら」

「魚が来たか?」

 カエルは乾いた白い布をエンに渡す。

「あいつらは頭がいい。ヒトが一人で船にいれば自分の獲物になることを知っている」


「い、急いで飛んだのに、船は、あっという間に返されて、ヒトは、すぐに浮かんできたのに、わたしの手は・・・」

 自分の細い腕を見つめ、その顔がみたこともない歪み方をした。

「と、どかな、かった、すぐそこにいたのに、目が合ったのに水が襲ってきてわたしは、それをよけてしまった・・」



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