もう とまらない
「 だがなあヤシナ、おれたちの『力』はあいつらには通用しないんだ。おれたちは狩の道具だけで奴らを撃ち落していかなきゃならない。ジリの腕ならたやすいだろうし、おれたちが皆で一斉にやればどうにかなると思うが。 あいつらの『数』はどのくらいなんだ?」
これじゃあ本当に狩る獲物の話だ。喉をさすって睨んだら
「そうだなあ・・・。まあ、確かにみんなでやれば早いだろうけど・・・」
奴まで『狩』の段取りを始めた。
「いいかげんやめろよ。ヤシナ、お前テングに世話になったんだろ?もう、みんなを止めろよ」
ちらりとこっちを見たが、すぐに窓の外、いや、上を見上げてさらに大きな声で言った。
「まあ、おれが、みんなから集めた矢を『力』で飛ばしたほうが、早いと思うよ」
あの『力』で、飛ぶ矢。
「このっ」立ち上がろうとした姿勢のまま止められた。
「ちくしょう!離せよ!ジリ!」
「落ち着け」
「落ち着いていられるかよ!」
久しぶりにしゃべったけど、やっぱりおれは怒鳴っていた。
「たのむよ、ジリ!あんたの子供なんだろ?止めてくれよ!」
指差した先に立つヤシナはおれを見て笑う。
「『止める』のは、おれのことじゃないだろ? もう、止まらないよ。こいつらは、 ―― 最初から」




