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※ ネズミとちがう
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「どうでした?」
エンがわたしを見て笑っている。
「ど、どうもこうも・・・あんな」
「あんな?」
わたしは思わず笑ってしまう。
「あんなおかしい生き物だとは思わなかった」
それを抱えていた自分の腕をさする。
「だってどう考えても無理だろう?あの沼に来ただけでも驚きだが、自分がどうなるか考えずに行動しているんだ。あれはやはり」
「ネズミと同じでしたか?」
「・・・・ネズミは、あんなに言葉をしゃべらない」
「それだけですか?」
エンがまた笑った。
「あ、あれはあのヒトの子があまりにもうるさいから少し、黙らせただけだ」
抱えて、一気に上昇して空を見せてやったら、ヒトの子は陸を見て大騒ぎした。
『すごい!テングの山が上から見える!』
当たり前のことにひどく驚いてきらきらした眼でわたしを見上げた。森の境まで連れて行きカエルに引き渡したとき、いきなりその小さな体でわたしを捕まえるように腕をまわし「ありがとう」としゃべった。
あのときわたしはなぜ戸惑ったのだろうか。




