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なんで知ってる?
「お、下ろせよ」
まだ息が整わなくて声が出ない。
ヤシナはそのまま家に入り、暴れるおれを下ろして、にやっと笑いやがった。
「ワッカと仲直りできたか?」
なんでこいつ知ってるんだ?
「お前には関係ないだろ?」
「まあな」
にやけたまま家の中を見回すように歩き、腹減ったなあ、と台所に入っていった。
残ったおれのことを、後ろからジリが見ているのを感じる。
「 ―― おれ、下で寝るから」
顔も見ずに言うと敷くものを取りに梯子を上った。
ジリはきっと何か言おうとしている。でもそれは聞きたくない。
自分の部屋だった所で長いこと使っていなかった毛織物を探していたら「いた」とヤシナの顔がのぞく。
「おれとお前は一緒にここだ。ジリは下」
どさりと荷物を置き床に手をつくと、ひょいと飛び上がって部屋に立った。




