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なんかヤダ
「僕、あのヒトなんかやだな」
ワッカが身を起こしてヤシナを見ていた。
「え?」
お前も?
「いいヒトそうだけど、なんか、見てると変な感じだよ。どうしてだろ? あ 」
いきなりヤシナがおれたちの前に立っていた。
跳ぶなら言ってくれよ。
「ワッカはかあちゃんの面倒をしっかりみろよ」
頭をぽんぽん叩く。
「わかってるよ」
ワッカは珍しく口をとがらせてヤシナを睨み、おれに、じゃあと言って立ち上がった。
「さ、おれたちも帰るぞ」
「とぶなよ、」
やられる前に言いたかったのに、すぐに体は持ち上げられてジリと並び、次には家の前にいた。
それは空を飛ぶのとはまったく異なり味わったことのない感覚で、体が痛くなって必死で息をしているのにまだ苦しい。
「あ、だめだったか?」
ヤシナが笑っておれの背中をさすって、「俺でさえ苦しい」とジリが自分の首をさすった。
「わかったよ、気をつけるって」
笑ったヤシナの脇にいきなりひょいと抱えられ、足が浮く。




