仲直り
「な、なにがだよ?今、フッタ、謝った?よね?」
立ち止まって顔を覗き込まれる。
前をふさがれたようなおれも立ち止まる。
ワッカのその顔はいつもの顔だけど、おれにはもう、《赤ん坊》には見えない。
「ワッカ・・・いろいろ、お前には謝りたいんだ。なんかさ、多すぎてどれから言えばいいのか、わかんねえんだけど・・。とりあえず、あの石のことは本当に知らなかったんだ。ごめん。サーナにも謝っておいてくれよ」
青い目が驚きでいっぱいに開いている。急に恥ずかしくなって何かしゃべろうとしたらワッカが「違うよ」と腕をにぎった。
「だってあの時も怒鳴ったのは僕のほうだし、それに、あの、あの石はかあちゃんがとうちゃんに持たせたお守りだから、かあちゃんはそれが悲しかったんだよ。自分がとうちゃんを守れなかったみたいでさ。フッタが気にしなくていいんだよ。ほんと、平気なんだ。あの後すぐにフッタと仲直りしろって、かあちゃん鼻たらしながら言ってたぐらいだし。 僕も何であんな怒鳴っちゃったのか自分でもよくわからなくて、ごめんよ。えっと、とにかくフッタは、僕に謝ることなんてさ、もう、何にもないんだから。本当だよ」
小刻みにうなずいた。
「だから、 ―― いつでも来てよね。うちに。 フッタが来たい時でいいからさ」
おれはこの、ヒトのいい兄弟になんて答えればいいのかわからなくて奥歯をかむ。




