親父と話したいこと
「まあ、とにかく、良かったなぁ。なあ、ジリよ」
長老の声にジリは引き戻されたように、どうにかうなずいた。
「親父ってば、うれしくてまだよく動けないんだな」
ヤシナがジリの肩をつかんで笑う姿から、おれはなんだか目をそらす。
「みんなとも再会を喜び合いたいけど、今日はもう帰って休むよ。 悪いけど長老、もういいかな?親父と話したいことがたくさんあってさ」
ジリの肩をつかんだまま立ち上がる。
長老はうんうんとうなずいて目を押さえた。泣いているらしい。
他のやつらがそろりとおれを見たのがわかる。
「あのヒト、どこで休むの?」
後頭部でワッカがささやき、自分の置かれた立場ってやつに気付く。
そうか。
「さあフッタ、家に帰るぞ」
ヤシナがおれに微笑みかける。
「あ、おれ、ワッカの」
おれはもう入れないんだ。
「サーナが熱をだしている」
いきなりジリがしゃべった。
仲良く並んだ『親子』は、似ていないのにどこか似ている。
「・・・じゃあカエルの所に」
「うだうだとうるさいガキだな。行くぞ」
「・・・なんだよ」
しかたなく、ヤシナとジリの後を追う。
「あ、待ってよ」
追いついてきたワッカと、長老の家を出た所で並んだ。
外はこれから昇ろうとする日で白く光り始めていた。




