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※ ヒトが好き
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新しい付き人のエンは変わった奴だった。
「ヒトが好き?」
「ええ、そうです」さらりと答える。
「お前は、王の翼がなぜなくなったのか知っているのか?」
「存じております」
表情さえ変わらない。
「ふん。ヒトなどこの陸に前から住むネズミと同等だぞ」
「そうでしょうか?」
怒っているのではなくて、わたしのことを試すように問い返す。
「違うというのか?」
「違うと思っています」
その薄い空の色をした目が笑った。馬鹿にされたのか?
「いったいどこが違う?」
「さあ、どこなのでしょう」
「なんだ?それは?」
「わたしにもまだよくわからないのです」
「お前、わたしを馬鹿にしているのか?」
エンは目を伏せて口を結んだ。
「馬鹿になどしていません。王子にはわかっていただきたかっただけです」
言うとそのまま一人空へ消えた。
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