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カエル シルス フッタ ノ ハナシ  作者: ぽすしち
長老の家へ

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112/217

決まり


「 『 ひとつ、ヒトはテングの領域に踏み入らぬ。 ひとつ、ヒトはテングを襲わず。 ひとつ、ヒトは長を置きまとまる。 ひとつ、ヒトを視るカエルに触れず。 ひとつ、ヒトは真実をみよ。 そして、この『決まり』が破られし時、ヒトは王の裁きを受け、その罪を改めなければなければならぬ 』 っと 」


「カエル!」


 長い紙をよみあげたカエルの体が見る間に浮き上がってゆく。


「誰だよ!カエルに『力』なんか使うなよ!」

 飛び上がったのにその肩の赤い布にさえおれは届かず、『決まり』の紙をはためかせた奴はまだ昇ってゆく。 高い。

「やめろ!みんなおかしいよ!」

 黙って暗い空を見上げる皆が急に怖くなる。


 あんなところからみんなの『力』で落とされたりしたら―― 。


「騒ぐなフッタ、お前は証人としてその布を持ち、王の所に行け」

 かさこそと紙を仕舞うカエルの落ち着いた声が降ってきた。


「何言ってんだよ!頼むよ!みんな、やめてくれよ!」

 

 黙ったままこっちを見るヒトのその目に、表情はない。


「フッタはカエルを引きずってテングの所に行けよ。『決まり』なんてテングに都合のいいものに縛られる理由なんて、おれたちにはない」

 誰かが言ったらおれの体も浮いた。

 ゆらりと頼りなく、ゆっくりと上へ浮かんでゆく。



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