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カエル シルス フッタ ノ ハナシ  作者: ぽすしち
長老の家へ

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111/217

ひどく悲しむ


「エンはサザナが迎えに来たんだろ?一緒に帰ったんだよな?」

 生きて。


 カエルはおれを見た。

「そうだ。サザナが迎えに来た。傷はどうにか、急所ははずれていたが、落ちたんだ。翼が折れた」


「翼が!」

 だからこんなに血が。布を持つ手が震えた。


「ひどいものだ。あれは ―― 。 当たり前だが、ひどく、悲しんでいる」


「ああ、でも生きてるんだな?」


 ほっとしたおれからカエルは目をはずさない。

「生きているが、もう飛べないだろう」


「飛べなくても生きてれば・・サザナだって傍にいるんだし」

 一緒に飛べば。


「あいつは、じき王になる」


 じゃあやっぱり


「あの二人が、次の『王』なのか?」


「『王』は一人だ。サザナがテングの次の王だ。『王』はツガイに・・・いや、決まった伴侶はもたない。エンにばかり付いてやることはできなくなる。 エンはサザナの付き人として選ばれた者で、今の王の信頼と愛情も厚く受けていた。だから、王が怒っている。 お前らは覚えていないだろうが、ヒトが王を怒らすのはこれで二度目だ。『決まり』ができたというのにヒトはそれさえも忘れてしまったようだな。『決まり』がどんなものだったかきさまらに思い出させてやろう」


 抱えていた赤い布張りの書物の表紙を開くと、ばさりと中の紙が下まで垂れた。




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