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嫌い
「・・・うるせえな。おれはただ、お前らがうらやましいだけだよ。 いっつも幸せそうな顔して好きなときに空を飛んで。 ―― おれも、テングに生まれてればよかったな。ヒトじゃなくてさ。みんながお前らのこと何で嫌なのか、おれにはわかんねえし・・・」
「ふうん・・・フッタはヒトが嫌いなのか?」
「え?ああ・・・そうなのかな・・・」
抱えた籠は、もう黄色い実でいっぱいだった。
「・・・でも、一番嫌いなのは、ジリだよ」
籠を、枝に置く。
サザナが、静かにたずねる。
「ヒトにとって、『親』とは嫌いになれる存在なのか?」
「ジリは『親』じゃねえよ」
むきになって否定する。「知ってるだろ?おれ、拾われたんだぜ」
「関係あるのか?拾われて、ずっと一緒だろう?」
むこうの枝で静かに微笑む『テング』に、どうやって説明するか考えて、すぐ面倒になり考えるのをやめる。




