手当て
「来るまでにずいぶん時間がかかったな。話はジリに聞いたのか?」
机の上のランプをいじる。ぼうっと明るさが増した。
「・・・長老だよ。サーナのところに行く途中だったヨクニが、全部教えてくれた。なあ、ジリの子供のこと、本当なのか?」
肩に目を寄せたカエルはこっちを見ようともしない。
「なあ、本当に、連れ去ったのは、テングなのかよ?ジリの子供って今どこにいるんだ?エンとサザナがテングの王になるって本当なのかよ?おい、」
「少し黙ってろ。しゃべると体が動く」
カエルの手にぎらりと光るものを認めておれは口を閉じた。
「最初痛むがエンに比べればたいしたことはない」
ぐっと痛みが走るが今の言葉で何も出せなくなっていた。
「ヨクニの話を聞いて、どう思った?」
「・・・わかんねぇよ。何がどこまで本当の事なのかもわかんねぇし」
「では、お前が今まで生きてきた中での真実だけを見てみろ」
しばらく続きそうな痛みを忘れるのに、いい問題だった。
「・・・ジリは、言葉が足りねえよ。おれは・・おれ、馬鹿だから言ってもらわないとわからねえし」
「そうだろうな」そっけなく手際よくすすめる。
「ワッカも、おれに嫌われてるって勝手に思ってる」
「お前の態度がそうさせる」小さく首を振った。
『嫌われてんの知ってるからさ!』
違うんだ。




