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63 後日談

今日は子ども向けのイベント会場でのバイトだ。

駅前でメンバー数人と合流して向かった先はちょっと規模の大きい展示ホールだ。

そこで複数の企業がスペースでいろんな展示やらイベントをする。

その中でも少し大きめのスペースが今回の現場になる。


子ども向けのバスボムを製造販売している会社でささやかだがステージもある。

今回、新商品の紹介をしつつ、バスボムのイメージキャラクターの着ぐるみと子どもたちが一緒にダンスしたり写真撮影とかするらしい。

オレらはそのイベントのアテンドをしつつ一緒にダンスもするらしく、着いて早々にダンスを教わった。



「あーキミキミ」

「はい?」


スーツを着た社員らしき人に声を掛けられ振り返ると、フムフムと上から下まで見られた。


「君、丁度いいね」

「はい?……え……えっ……」


その社員さんらしき人に手首を捕まれると、ズルズルと奥に連れて行かれた。



❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎


「アワアワアワワ~、アワッアワァ~♪」


謎のリズムを刻みながら子どもたちと手をバタバタ動かす。

その謎のリズムと動きに子どもたちはキャッキャ楽しそうにバタバタする。


「もっともっとー!」


煽られバタバタする。

何だこれ?


「はーい、みんなありがとう。アワボーもアワミンもありがとねー」


さっきまで煽っていたお姉さんが子どもたちと着ぐるみを労う。

着ぐるみのキャラクターはバスボムの妖精の兄妹らしいのだが、兄のアワボーのビジュアルがクマで妹のアワミンはウサギって……。

妖精の2人は好きな動物に擬態しているとはいえ、もう少し設定は考えろよと思ってしまう。


「では、これから写真撮影に入りまーす。アワボーとアワミンとお写真撮りたい子はこちらに一列に並んで下さーい」


お姉さんが手を上げると子どもたちはわーっと我先に並び出し、順番にステージに乗って親御さんに写真を撮ってもらう。



「お疲れ様」


さっきオレに声を掛けた社員さんが飲み物をオレたちに差し出す。

それを素直に受け取りゴクゴク飲み干す。


「急にごめんねー。うちのスタッフが熱出しちゃって」

「いえ」


Tシャツの袖で汗を拭うと頭に巻いたタオルを締め直す。


「今日は君がいて良かったよ。あ、会社には給料は上乗せするよう連絡したからね」

「あざマス」

「じゃあ、30分後に迎えに来るからそれまでゆっくり休んでね」


社員さんは手を振って表に戻っていった。


「ふううぅぅぅ」


息を深く吐いてチラッと隣の物体を見てまた息を吐いた


「これは……イチゴくんには見られたくないなぁ……」


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