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43.

「ウソだろ……。なんで今壊れるんだよぉ……」


指の隙間から床に落ちたピアスの残骸の一つ拾うとサラサラと砂になってまたこぼれ落ちた。

ピアスのカケラはもうどこにも見つけられなかった。

その現実に張り詰めていた糸がプツリと切れた気がした。


「うっ……ううっ……」


ボロボロ流れる涙。

息苦しいのに止まらない嗚咽。

やっとの思いで起こした体はもう自分の意思ではほとんど動かせなくなって、涙を拭うこともできない。

その体は近くに落ちた木片が起こした熱風に煽られ前のめりに倒れていく。

叩きつけられる痛みに覚悟して目を瞑る。


「ーー先輩っ」


声が聞こえた。

そして、すぐくるはずの衝撃は訪れる事はなく、温かい何かに包まれた。



❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎


「うっ、ゲホッ、ゲホゲホゲホッ」


新鮮な空気に肺が驚いて咳き込むと背中をさすられる。

いうことを聞かない体は、オレの背中をさするその手の持ち主に寄りかかり支えてもらっている。


「大丈夫ですか?」

「ゲホッ……だいっ…じょぶなわけ、ない……」

「……ですよね」


それでも少しずつ呼吸は楽になる。


「はぁ……苦しかったぁ」

「遅くなってすみません」


しゅんとする彼に首を縦に振る。


「ああ、遅かった。……でも助かった。オレのこと、ずっと探してくれてたんだろ……イチゴくんは」

「……はい」


初めて聞くか細い声で返事をするイチゴくんに、クスッと笑ってしまう。

頭を撫でたい衝動に駆られるが動けないため、その胸にグリグリと頭を押し付ける。


「約束……守ってくれたな。……ありがとう……アワユキくん」

「……っ!」


いつの間にか火事は鎮火し、少し先に城の兵士によって拘束された男たちとアウルがいた。


オレの記憶はそこで途切れた。


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