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21.

その衝撃は強かったけど、すぐに和らぎ痛みも一瞬だけだった。


「ーーぱい?歩夢先輩?」

「んっ」


ゆっくり目を開けると視界いっぱいにイケメンの顔があって息が止まった。


「歩夢先輩?大丈夫ですか?」


辛うじてコクコクと頭を上下に動かすと、イチゴくんはオレを立たせてくれる。


「本当に大丈夫ですか?痛いとことか」

「だだだだ大丈夫。どこも痛くないっ」

「それなら良かったです」


眉尻を下げ安心するイチゴくんはオレを優しく抱きしめた。


あったかいな……。


無意識にその背中に手を伸ばすが、触れる前にイチゴくんが離れた。

見上げた表情はキツく、怒っているように見える。

イチゴくんはオレを置いてキラピカくんの元に歩いて行き。


パンっ


頬を叩いた。


「ぁ……」

「キラピカ。自分が何をしたかわかってるね」


その言葉にキラピカくんはビクッと肩を震わせる。

聞いたことのないイチゴくんの低い声にオレもビクッとする。


「ゅ、ユキ兄ーー」

「お前は魔法が使えない歩夢先輩に対して魔法を掛けたシャトルを打ち込んだ。それがどんな結果になるかわかってなかったのか?」


イチゴくんの圧に言葉が出ずに震えるキラピカくんの目からはジワジワ涙が浮かんできた。


「イチゴくーー」

「魔力操作が未熟な者が魔法を使ったら危険だと習っただろう?」

「ご、ごめんなさーー」


容赦なくキラピカくんを叱るイチゴくんの目がすごく冷たくてオレまで震えたけど、これ以上見ていることが辛くて自然に体が動いた。


「キラピーー」

「イチゴくんっ。もう十分だよ、止めて」


両手を広げてイチゴくんの前に立った。

それまでキラピカくんに向けていた目を真正面から受けたら膝が笑っちゃうくらい震えてきた。


「先輩、退いーー」

「どかないっ」


イチゴくんが呆れた様にため息を吐く。


「歩夢先輩。キラピカの魔法が掛かったシャトルで死にそうになったんですよ……」

「た、確かにキラピカくんがしたことでオレ死にかけたのかもしれないけど……キラピカくんも反省しているし、オレも死んでない。この通りピンピンしているよ」

「それは僕がーー」

「うん。イチゴくんが助けてくれたからだよ。あの時も、今もーー」


数日前の強盗に襲われた時も、イチゴくんがオレを助けてくれた。

さっきより視線は怖くなくなったけど、震えはまだ止まらない。


「歩夢先輩……?」


震える手をぎゅっと握りオレは笑った。


「オレがピンチの時はイチゴくんが守ってくれるんだろ?」

「っ!」

「じゃあ、絶対大丈夫じゃん」


オレの言葉に目を見開いたイチゴくんはふわりと笑った。


「ふふっ、歩夢先輩には敵いませんね」


イチゴくんが嬉しそうに笑い、いつものイチゴくんに戻った。


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