3話② 母神竜の揺篭
新暦二年三月十四日。そーちゃんは三歳の誕生日を迎えました。
「お誕生日おめでとう、そーちゃん!」
贅沢なお祝いは出来ませんが、私達なりにそーちゃんをお祝いしました。この日の為にいつもよりちょっとお高い、個室に調理場がついている宿を借り、あま~いパンケーキを焼きました。オーブンがないのでこれくらいしか出来なくて申し訳ないのですが、ホイップクリームをたくさん作ってパンケーキを覆います。残念ですが果物は高くて買えませんでした。
ろうそくを三本用意して火をつけました。二歳まではこうした形でお祝いはしなかったので、食卓で、それも目の前で煌々と揺らめく炎にそーちゃんは興味しんしんでした。息をふーっとしてくださいと伝えてもしばらくは意味がわからなかったらしく、危うくパンケーキに溶けた蝋が達してしまいそうになってようやく吹き消してくれました。
不格好なケーキもどきでしたが、そーちゃんはそれを食べながらにこにこ笑顔だったので喜んでくれたのだと思います。
食べ終わると、そーちゃんはカバンから紙を取り出しました。「ありがとう」と書いてあります。
「それは私達こそ言いたいですよ~。そーちゃん、生まれてきてくれてありがとうございます!」
思わず抱き寄せて、頬ずりしてしまいました。
そーちゃんはまだ複雑な文章は書けませんが、私やコウが日常的に使う言葉を耳にしている内にそれを覚えて、いくつかの言葉を紙に書き残してそれをカバンにしまっています。朝だったらおはよう、夜だったらおやすみなど、適宜にそれを見せてくれます。
「サクラの言う通りだよ。ソウがいなかったら今頃、何を張り合いにして暮らしているのか想像出来ない」
コウが照れもなくこのような本心を伝えてくれるのは珍しいです。……実を言うとわかりやすい誕生日プレゼントと呼べるものを用意出来なかったので、せめて気持ちだけでも普段秘めているものまで最大限に伝えてあげたかったのかもしれません。
私の膝の上にのっかっていたそーちゃんはその言葉を聞いた後、そこからおりて私とコウのちょうど真ん中に正座します。そして私の右腕を、コウの左腕に自分の細い腕を絡めてぐいぐい引っ張ります。
近頃のそーちゃんは、言葉を話せない代わりにこうして動きで自分を表現しようとしています。この行動はどんな気持ちの発露なのでしょう? さすがに真意まではわかりませんが、そーちゃんなりの「ありがとう」以外のお礼の伝え方のような気がします。私はそーちゃんとくっつくのが大好きですよと常日頃から伝えていますし。コウだってそうなのではとそーちゃんは感じたのかもしれませんね。
そーちゃん自身が狙ったわけではないと思いますが、小さなそーちゃんを間に挟んでそうして腕を引かれると、私とコウの頭がこつんとくっついてしまいました。日頃ひとつの寝台で三人で寝ているとはいえ、起きている状態で接触するのはちょっとこそばゆい気持ちですけれど……別に嫌ではなかったのでそーちゃんが満足するまでそのままで過ごしました。
四歳ごろになると、そーちゃんは紙に書いた言葉で会話が出来るようになっていました。
ある時。日中、白い紙を前にそーちゃんが長考している姿を見かけたのでどうしたのですかと声をかけますと、珍しく私を避けるように部屋の隅っこまでいってしまいました。少し寂しかったですけど、誰しも深入りして欲しくない時間はあるでしょうからひとまずそっとしておくことにしました。
夜、コウが仕事から帰宅してからそーちゃんは、ひとりで考えて書いたらしい紙を私達に見せました。
『コウとサクラは ソウのおとうさん おかあさん?』
「そーちゃん……ごめんなさい。今まで気が付かなくて」
当初の想定よりも遥かに穏やかな旅暮らしをしていたので、いつの間にか失念していました。そーちゃんが理解出来る年頃になってから、私達が実の両親ではないと説明しよう。コウとはそう話していましたが、すでにそーちゃんはその年頃を迎えていて。言葉を口に出来ずひとりで悩ませてしまったのかもしれません。
私達は一度だって、そーちゃんに「お母さんですよ」「お父さんですよ」といった語りかけをしてきませんでしたから。物事の分別がついてきたら疑問を抱いて当然の状況でした。
「ソウ……俺達はおまえの両親じゃない。でも、おまえの両親は俺達の大事な人だ」
「そうなんです……だから彼らは私達にそーちゃんを託してくださいましたし、私達はあなたを本当のお父様とお母様と……弟様へお返しするために、旅をしているんです」
ご両親のことは、これまでにひとりで考えて察していた……だからこそこうして訊ねてきたのでしょうから……そーちゃんは表情を変えず聞いていました。でも弟の存在を告げた時にははっきりと、表情に驚きを滲ませていました。大急ぎで紙に書きます。
『おとうと いる?』
「……ええ。いますよ。そーちゃんと同じ日に、お母さんのお腹から生まれたんです」
どこまで理解できるかはとりあえず考えないことにして、私達は一通りの事情をそーちゃんに話しました。お父様が、お母様が、そして弟のあおちゃんがどういった立場の方々か。どうして離ればなれになってしまったのか。
「あおちゃんの体は、生まれつき困難がありますので……あおちゃんに会ったら、そーちゃんはお兄ちゃんとして、あの子を助けてあげてくださいね。出来ることだけでもいいので、精いっぱい」
そーちゃんはいたって真剣な顔で頷いて、……しばらく思案しながら、紙にこんなことを書きました。
『おとなになったら ソウが みんなをたすける』
「みんな?」
訊ね返すと、紙の余白に書き足します。
『おとうさん おかあさん あお コウもサクラも』
思わず、私もコウも言葉が続きません。私達は、そーちゃんが大人になるまでに、この体で生きていることが出来ませんから……。
そーちゃんはやっぱり聡いお子様です。私達の態度に、
『ずっといっしょに いられる? おとうさんたちに あえたら コウとサクラは どっかいく?』
親元に帰すということはそういうことなのかと考えたみたいです。
「それは……」
コウは、私達の体のことを話すべきか逡巡し、やはり口を噤んでしまいました。
そーちゃんは赤ちゃんの頃から、めったに泣かないお子様でした。それが今、顔を赤くして、ぽろぽろと涙を落とします。泣きながら何かしたためて、その上にも水滴が落ちてインクが滲みます。
『ふたりがすき ずっといっしょがいい』
「そーちゃん……ごめんなさい。私達は、ずっと一緒にはいられないけど……そーちゃんのことが大好きです。本当はずっとそばにいたかったです……」
「目の前にいなくても……いないように見えても、俺達はずっとそばでソウを見守ってる」
「そっ……、です、よ。見えなくても、そばにいて……他の誰よりもそーちゃんの幸せを祈っていますからね。ずっと、ずっと……」
ここは気丈に振る舞わねばと思っても、私もこらえきれず泣いてしまいました。そーちゃんより激しく流れ出てしまいそうな鼻水を、コウが拭ってくれます。ソウはいいがおまえはもっとしっかりしろ、と叱責されますが、その表情は決して厳しくはなく、悲痛そのものでした……。
泣き疲れて眠ってしまったそーちゃんを寝台に横にして、その晩、私とコウは夜更かしをしていました。元より日雇いの仕事を請けているだけですから、明日はいっそ仕事はしないことに決めました。お互いに気持ちの整理をしたかったのです。
「……ソウが多くの言葉を覚えて、書いて気持ちを伝えられるのはおまえがいつでもたくさん話しかけたおかげだよ。俺だけだったら……たぶん、何を話したらいいかわからなかっただろう」
「そうですか? ……うーん、やっぱりそうかもです」
自分から言いだしておいて、ずばり肯定してさしあげるとちょっと口を尖らせるコウでした。
「コウは言葉で伝えるのは不器用ですもの。でも、私にもそーちゃんにも仕草が優しくて、それだけで気持ちは伝わってきますよ。だからたとえそーちゃんとコウのふたりだけでも、きっとそーちゃんは今と同じ、優しい子に育ったと思います」
きっと、と申しましたが、間違いなくそうだと断言できます。
「……私が年上だといいなぁ」
「なんだ? 急に」
「だって、私があなたより年下だったら……コウがいなくなってしまうのを見送らなければいけないじゃないですか。そんなの悲しいですし、寂しいです」
「……俺だって嫌だ。おまえを見送るなんて」
「……でしたら私が年下でもいいです。そーちゃんとふたりきりになっても、必ずあの子を守り通しますからねっ」
「……それで頼む」
「もー……」
それって私の方がコウより悲しみの時間が長くて構わない、みたいな返答じゃないですか?
でも……考えようによっては、それだけ私とのお別れを悲しんでくれているということですから、多目に見ることにいたしましょう。
新暦三年、夏の盛りでした。私達は大陸の中央にあるグラス王国へ辿り着きました。
クラシニアを出奔してからゆうに三年以上経過しています。コウが二十歳を迎えるまでに、ツバサ様との約束の地へ辿り着けたのは幸いでしたが……。
「太陽竜様だったら確かに一度、グラス王家が招き入れたと噂があったね。白銀竜様の神器は献上されたと」
「でも、用事があるとかで、奥方様とご子息を連れて離れられたと聞いたけど……」
それが、城下町で得られた情報でした。
「どうされたのでしょう、ツバサ様……」
「わからないが、とにかくギリギリまでこの町で待とう」
ギリギリ、とは、つまり私かコウのどちらかが二十歳を迎えて体を失うまで。二人ともいなくなってしまってからではそーちゃんをひとりぼっちにさせてしまいます。
とりあえず、グラス王国の中の孤児院をいくつか回って、最も手厚く保護してくれそうな場所を選び、グランティス王家のシーちゃんがくれた書簡を託します。私達に万が一の場合は、そーちゃんを預かり、シーちゃんに連絡するとお約束いただけました。
ずっと目指してきた場所だというのに目的が達成出来なくて、私達は些か呆然としてしまい、確保した宿で脱力していました。いくら平和だったとはいえ、今まで働きづめ動きづめだったのですから、心身共に疲労が蓄積していたのかもしれません。
今までになく私達がだらけているのを、そーちゃんがちょっとだけ不思議そうな目で見ていました。
「ん~……」
うっかり、夕暮れ時まで、私とコウは寝台の上でうたたねをしてしまいました。頭も体もおかげですっきりしましたが、ひとりぼっちで窓のさんに肘をついて街並みを眺めているそーちゃんの後姿に、申し訳ない気持ちを抱きます。
どんな眺めでしょうと、そーちゃんの頭越しに見下ろしてみますと、街はお祭りの準備で賑わっていました。後で宿の御主人に訊ねてみたところ、明日は建国記念日で、一年で最も大きなお祭りが国をあげて開催されるみたいです。
「お祭りの遊びもお食事も割高ですけど、たまには楽しみに行きませんか?」
「いいんじゃないか。ソウもそろそろ自分から楽しめそうな年頃だしな」
無数の屋台が並ぶ中、そーちゃんが食べたいなぁとか遊びたいなぁと選ぶのはどんなものなのか。想像するだけですでに楽しくて口元がにやけてしまいそうですし、実際コウにも呆れ顔でそれを指摘されます。きっと私達にとって、かけがえのない思い出の一日になるでしょう。
前提として、この度のお祭りはそーちゃんを楽しませてあげるためのもので、自分達自身では一切お金を使わないつもりでした。そのはずだったのですが、さっそく……。
「わ~! 見てくださいコウ! 大国の金平糖ってこんなにいろどり鮮やかなんですか!?」
テーブル全面に金平糖しか並んでいない屋台を見つけてしまいました。私の知っている金平糖は真っ白なお砂糖を小さく固めたお菓子でしたが、こちらには白だけでなく桃、薄黄緑、黄色、真っ青、紫……色が多すぎて花畑でも見ているようです。
「普通に作れば白であるはずのものに色がついてるんだろ? 余計な着色剤が入ってるってことなんじゃないのか?」
「お客さん達、飴ちゃん見たことないのかね? あれに色がついてるのは良くって金平糖はダメってのは違うんじゃないかね」
言いながら店主の男性は、すぐお隣の飴細工の屋台を指さします。おそらく経営者が身内で、金平糖が売れなくてもそちらに誘導しようという計らいでしょう。そちらの飴細工も大層素晴らしいものでしたが、私達のお財布には不相応で諦めるしかなさそうです。
金平糖も言うほど安くはありません。さして大きくない木匙一杯に銅貨一枚求められます。
「そーちゃんにもこの美味しさを味わわせてあげたかったですが、私の選ぶものでなくそーちゃんが選ぶものを食べさせてあげたいので……あら?」
そーちゃんが私の服の裾を掴み、くいくいと引っ張ります。背負ったカバンを前に持ち替えて、中から「食べたい」と書いた紙を取り出しました。
「こんな幼子に気を使わせるな……」
「……面目ない」
さすがの私も、この流れは少々恥ずかしいです。大人として。
せめてどの色の金平糖を買うかは、そーちゃんに選んでもらうことにしました。木匙一杯では物足りなさすぎるので、二杯。これも私達の会話を聞いていて気を使ったらしく、最初の一杯は白を選んでくれました。
二杯目は、真っ青な金平糖でした。店主さんが巾着型の透明な小袋に二色の金平糖を入れて渡してくれて、それをぶら下げたそーちゃんはご機嫌です。
「そーちゃんは青い色が好きですか?」
訊ねると、無言でこっくり頷きます。訊ねるまでもなかったかもしれません。そーちゃん自身の名前も蒼、髪色も青なのですから、思い入れが芽生えるのが普通ではないでしょうか。
中央通りは右も左も屋台が立ち並んで凄まじい人混みでしたが、これでも夜に比べたらまだ人出が少ないのだと町の人に教えていただきました。迷子になるほどではないでしょうが、念のためそーちゃんはしばらくコウが抱っこして歩きます。
そーちゃんが最初に目にとめたのは、亀の子どもを薄紙を張った丸い道具で掬う遊びでした。せっかくの希望なのに申し訳ないのですが、私達のような暮らしで生き物を持ち帰るのはさすがに無理でした。
底浅で大きな水色の水槽の隅っこにしゃがみ込んで何分も眺めているので、店主にすみませんと謝りましたが、元より見ているだけの客も多い業態だからちょっとくらいなら構わないよと言ってくださいました。寛容な店主さんで良かったです。
「おじさーん! おれたちみんな一回ずつね!」
そーちゃんと同じような年頃の、男の子ふたりと女の子ひとりの三人組が店主さんにお金を払い、子亀掬いを始めました。
「あーっ、さっちゃんのもう破れてるじゃーん」
「そんなぁ~」
そもそも薄紙で重量のある生き物を掬うというのは難易度が高いのでは? お子様でしたらなおさら。案の定、子供達は誰も亀を掬うことが出来ませんでした。
「まぁいいよ。楽しかったから」
「来年は一匹くらい掬いたいな~」
負け惜しみというわけでもなさそうな満足げな顔で、子供達は店主にまたねーと手を振り、去っていきます。その当時はまだ幼くてやらなかったけど、あの子達去年も見に来てくれたんだよと店主さんが話します。なるほど、そーちゃんへの対応も、今年はダメでも来年なら可能性があるからということなのかも。お上手です。
「そろそろ行きましょうか、そーちゃん……そーちゃん?」
そーちゃんはいつの間にか、水槽の亀を見ていませんでした。いつからだったのか、まだ近くを歩きながらお互いに何か話している先ほどの子供達の姿を一心に目で追っている様子です。
そーちゃんは立ち上がり、私と手を繋ぎます。ほんの一瞬だけ表情が寂しそうに見えたのは気のせいでしょうか。本当に刹那的な変化だったので確信が持てませんでした。
他には射的やパチンコ台などもありましたが、そーちゃんの身長ではまだ楽しめそうにありません。最終的に彼が選んだのは輪投げでした。
「どのおもちゃが欲しいんですか?」
そーちゃんは眉をきりっと上げて真剣な面持ちで、木工の船のおもちゃを指さします。木で作ったといっても白青黒の塗料できちんと塗り分けされていて、なかなか立派です。小さな男の子ってなぜか、船のような大きな乗り物が好きでこうしたものに憧れを抱きますよねぇ。なぜでしょう? とコウに振ってみましたが、
「俺はそういうものに興味なかったから普通にわからん……何がそんなにいいんだろう」
そも、砂漠の真ん中の国に生まれたのですから、幼い頃に船に憧れを抱く機会などなかったのも頷けます。
そーちゃんより小さな男の子がすぐ隣に立ち、どうやら同じ船のおもちゃを狙っていたみたいです。それもほぼ同時に輪を投げてしまい、船の真上でふたつの輪がぶつかってしまいました。
そーちゃんの輪が船をすっぽり囲み、あさっての方向に弾かれてしまった小さな子の輪が、空色の毛のくまのぬいぐるみに落ちました。ふたりとも無事に景品が得られたのは良かったと思うのですが……。
「うわぁ~~ん、ぼくがほしかったのに~~」
男の子が泣きだしてしまい、後ろにいたお母さんに「わがままを言うんじゃありません」と叱られて、さらに声を大きくします。
そーちゃんはすっと、男の子に船を差し出しました。さすがに男の子も気が引けたのか、「いいの?」と声を出します。返事が出来ないそーちゃんは困り顔。しかしすぐ気を取り直して、カバンから紙を取り出し。
『そっちがいい』
と書いて見せます。男の子は文字が読めなかったみたいですが、お母さんが「ごめんなさいね、本当にありがとう」と言ったのを聞いて顔を明るくします。
「おにいちゃん、ありがとー!」
大切にするね! と大喜びで、何度も振り返りながらそーちゃんに手を振っていました。
偉かったですね、そーちゃん。そう誉めてあげようとした矢先、そーちゃんのお腹がきゅーっと鳴りました。『おなかがすいた』という紙を出して見せてくれます。
食べるものもそーちゃんに選ばせてあげたかったのですが、ゆっくり選べる状況ではなくなってしまいました。ざっと眺めまわして、普段の食事では見かけない、お祭りならではの食事をいくつか適当に買いまして、宿に帰ることにしました。
本当にそーちゃんは船よりぬいぐるみが良かったのか気になるのですが、訊くのは無粋でしょうか。そーちゃんに聞こえないよう、こっそりコウに耳打ちして相談しましたが、やはりコウも「訊くのはやめておけ」とのこと。そうですよねぇ。
もっと幼いならまだしも、そろそろ男の子がぬいぐるみ遊びなど関心ないのでは。そう思いましたが、意外とそーちゃんはくまのぬいぐるみでひとり遊びをしている姿を見せてくれました。思えばそーちゃんの遊び道具は紙とペンばかりでしたから、ぬいぐるみといえどもほとんど初めて得られた、自分だけの玩具だったのかも……。なんだか無性に、申し訳ないような気の毒なような。
こんな暮らしの中でまっすぐ優しく育ってくれたのは、本当に得難くありがたいことだなぁと思いました。