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96泊目 失われていた記憶

 それは、ミュウとニュウの二人に俺も混じって、三人で魔法を練習している姿。そして、幼い俺たちを襲った異形の魔物と、その魔物に蹂躙されて息絶えた両親の姿ーーーー。


「え……あ、あ……うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 自分でも抑えることのできない叫びが、部屋中にこだました。

 そうだ。そうだった。思い出した。俺の両親は、魔法事故で死んだわけじゃない。俺を……守って……。

 胃の奥から胃酸が込み上げてくるのを必死に我慢をし、深呼吸をする。上手く息ができなくて、過呼吸になってしまいそうだ。

 呼吸の仕方を頭で反芻していると、首筋に冷たいものが当たった。


「ユート。思い出しちゃったんだね、全部……。あはは、眼が真っ赤。……綺麗な色」


 振り向くと、ミュウが気まずそうな笑みで背後に立っていた。ニュウが魔法暴走をした時に使ったペンダントを俺に向かってかざしている。

 そして、ゲストハウスの仲間たちに目線で合図をすると、仲間たちはそれぞれが廊下へと出ていき、部屋には俺とミュウが残されるだけとなった。


「うん。ごめんね。言いたいこと、たくさんあると思う。でもまずは、魔法暴走をしちゃわないように、身体の中の魔力を落ち着かせてあげた方がいいね」


 優しい声で囁くミュウに頭を抱きかかえられ、額にペンダントが当てられる。

 じんわりとした暖かさが額からペンダントに吸い込まれていくような感覚は、なんだか心地良かった。

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