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92泊目 「サキュバスって何なんですか……」

 エルの部屋の前に差し掛かると、ドアが突然大きな音を立てて開き、目に涙をたくさん溜めたエルが飛び出してきた!


「ユートさん! オイゲンさん! た、たすけてください〜!!」


 そう叫びながら俺に抱きついてきたエルは、パジャマが所々乱れている。それを少し直しながら、なにがあった、と聞くとエルは自分の部屋の中を指さした。

 恐る恐る中を除くと、俺の部屋で見たサキュバスがこちらを見ていた。


「あら〜、さっきの坊やじゃない。ねぇ、貴方は気付いているのかしら? この小さなオンナノコが本当は……」


「やめろッッッッッ!!!!」


 サキュバスが喋り始めると、今まで見たことのない剣幕でエルが叫ぶ。


「まぁ、怖い! そんなに怖い顔をしていると、顔に皺が増えちゃうわよ〜?……とっとと身体を寄越せッ!!」


 身構える間もなく物凄いスピードでこちらに向かってきたサキュバス! やられる、と思って反射的に目を閉じるが、何の衝撃もない。不思議に思って目を開くと、床に倒れているサキュバスがいた。

 これは……雷魔法だろうか。倒れたサキュバスのまわりにはバチバチと小さな電撃が走っている。


「ごめんごめん、遅くなっちゃった!」


 その声に振り向くと、そこにはミュウとクロエ、そしてサキュバスを倒した魔法の主であろうニュウが立っている。


「ニュウさん……! ごめんなさい、また助けられちゃいました……。私、ニュウさんに助けられてばかりですね」


「いいえ、困った時にはお互い様ですわ」


 そう言って微笑むニュウを見つめるエルは、頬が赤くなって切なげな表情を浮かべている。コイツ、まさか……! と、思っていたその時、ドアの向こうから禍々しい気配を感じた。

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