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87泊目 えっちなのはよくなくないとおまいます!

 ーーーー

「ね、ユート……。あたし、ユートのことが好き。大好き。だからさ、あたしのこと……好きにしてもいいんだよ?」


 ミュウはそう言いながら蒸気した顔で切なそうに俺の目を上目遣いで見上げる。

 そして両手で握っていた俺の手を突如、自分自身の胸へと押し付ける!


「……っ!ちょ、な、何するんだミュウ!?」


 俺の手にはミュウの柔らかい胸の感触がダイレクトに伝わる。


「あたし、ずっとユートとこういうこと、したかったんだよ? なのにユートはいつまで経っても気付いてくれないし……。もう我慢できないよ……!!」


「待て、落ち着くんだミュウ……!」


 と、言う俺の言葉も虚しく、ミュウの唇が俺の唇に迫ってくるーーーー


「……ッ!?」


 唇が重なったと感じた瞬間、俺は勢いよく飛び起きた!

 ……なんだ、夢だったか。俺としたことがまたよく分からない夢を見るものだ。

 まぁ健全な青少年としてありがちな夢、と言うことでもう一眠りだ!


 飛び起きた時に足元に飛んでいった毛布を手探りで探していると、何か柔らかいものに手が触れた。

 その時、闇の中から突如声が聞こえてきた。


「あらぁ。もう起きちゃったのね、ごめんねぇ、もう少し夢を楽しませてあげたかったんだけど、催眠が弱かったのかしらぁ?まぁいいわ、今度はコッチで楽しみましょ」


「……っ!? 誰だ!?」


 ベッドのそばに置いてあるランプをつけると、暗闇の中に女の顔が浮かび上がった。


「う、うわぁっ!! ゆ、ゆ、ゆゆゆゆユーレイか!?」


「ユーレイ、だなんて失礼しちゃうわぁ。どこからどうみてもキレイなオネーサン、でしょ?」


 明るくなった中で改めてじっくりと目の前のユーレイらしき女を見てみる。

 そこにいたのは、かなり露出が高く、メリハリがある巨乳の美人……だが、頭には角、背中には羽根が生えている。


「ユーレイというには、なんというか……色気がすげぇな……?」


 寝起きで回らない頭と寝ぼけた眼でぼんやりと女を眺めていると、笑い声で現実に引き戻された。


「うふふふふっ! なぁにボーッとしてるのぉ? オネーサンの魅力にやられちゃったかなぁ〜?」


「……はっ! ていうか、お前は一体何なんだ? 何故ここにいる? 戸締りはきちんとしていたはずなんだが……」


「戸締り? そんなものは関係ないわ。私達サキュバスにとっては、貴方が眠ってさえいればそれを目印にどこへだって行けちゃうの〜」


「サキュバス……だと?」

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