81泊目 はだかのおしゃべり
「エルちゃん、いっつも一緒にお風呂入ってくれないんだよね〜。やっぱり恥ずかしいとかなのかな?」
「あのくらいの時期の女の子は多感な時期なんよ〜。そっとしておいてあげるのが一番やで〜」
「あぁまた胸が成長しましたわ。肩もこるし邪魔だからぺたんこのミュウに分けて差し上げたいですわ」
「うっ……ニュウ、あんたねぇ! 人が気にしてることを……!!」
「2人ともまだまだ成長途中やん、もうちょいしたらウチみたいなセクシーボディになれるから安心してええよ〜」
「クロエ、本当にスタイル良いよねぇ。羨ましいな〜。ね、ちょっと触ってもいい?」
「ええで〜。優しく触ってやぁ、……あん、そこはダメやよぉ」
「えぇ〜!すごい柔らか〜い!」
隣の男湯にいる男の存在に気づかないのか、女性陣の賑やかな声を聞きながらなんともいえない気まずさを感じつつも耳を澄ます。
風呂から上がったらオイゲンが仕込んでおいてくれた夕飯が待っている。
嗚呼、なんて幸せな日常なんだ!!
「それにしても、ちゃっかりオイゲンが魔物の肉を持ち帰ってきてるなんてなあ。まさか魔物を食べる、なんて言ったらクロエもびっくりするだろうな」
「いやぁ、美味しく食べられる食材ってことがわかったから色んな調理法を試してみたくてな。目の前に新鮮な食材があるってのに持ち帰らない、とくりゃスペシャルシェフとして失格だぜ!」
「それは今日のディナーも楽しみだな。みんなでクロエのことを驚かせてやろうぜ!」
「おうよ、任せとけ!」
浴場でダンジョンでの思い出話に花を咲かせていると、辺りはすっかりと夜の帳が下りていた。
身体を念入りに洗っている途中、ずっと腹の虫が鳴いていた。
俺の頭の中はもうこれから待ち受けるスペシャルな夕飯のことしかないのである!!
風呂を上がり、身支度を整え、いざスペシャルディナーだ!!
クロエの驚く顔を楽しみにしつつ、俺とオイゲンはキッチンへと向かった。




