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56泊目 「ほら、好きなものに関しては喋りたくなっちゃうじゃないですか」

「皆さん、このポータル、多分ここの下層階に繋がっています!」


 ポータルの周りを調べたり手をかざしたりしながらうんうん、とかなるほど、とか呟いていたエルが突然明るい声を出した。


「下層階に繋がっているって、ポータルの先がどこにあるかわかるものなのか?」


 鷹の目ですら何も見えねえ! と叫んでいたオイゲンがエルに聞く。


「このダウジングペンデュラムで魔力の流れを辿るんです。これも錬金魔法で作った道具なんですけど、このクリスタルの中に魔力を感知する石を入れ込んでいて、その輝き方で魔力溜まりや強力な魔力を持つものを感知できるんです。微弱な魔力だと検知できないのですが、ワープポータルくらい大きな魔力だと辿りやすいんですよね。そうそう、魔力を検知するアイテムは錬金魔法で言うと」


「オーケーオーケー、わかったぜ嬢ちゃん、ありがとな。要はこれに飛び込みゃ、下層まで一気にひとっ飛び! ってワケだよな?」


 エルの語り癖をナチュラルにかわしたオイゲンは、ポータルをしげしげと眺めている。


「はい。ただ、下層のどこに繋がっているか、とかの詳しいところまではわからないんですけど……。ヴァロールの寝室、とかだと怖いですね……」


 エルが不安そうにしているが、体力も食料も無限ではない。

 ここはポータルを使わせてもらい、一気にダンジョン攻略を進めた方が得策だろう。


「このポータルを使って下層へと行こうと思う。体力と食料、それに探索道具にも限界があるから、ショートカットできるって言うなら多少のリスクを考慮しても一気に進んだ方が良いと思うんだが、皆はどうだ?」


「さんせーいっ!! ここ、すごい広いしひとつずつ調べてたらいつ帰れるかもわこらないもんね……。もう食べても食べてもお腹が空くのもやだよー!」


「僕も賛成ですわ。たとえヴァロールの寝室の真ん中に出たとしても、全員薙ぎ倒して差し上げます。今の僕たちになら、それも可能でしょう」


「任せとけ坊ちゃん、いつでも準備はできてるぜ。俺様の弓を信じてくれ!」


「私も道具の手入れはできています! どこに出たって大丈夫。もし、どうしても難しそうだったらまた即ポータルに飛び込んじゃえば良いだけです!」


 皆の士気も十分だ、意を決してポータルに飛び込もう!

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