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49泊目 「世の中、全てのことに慣れていってしまうのでしょうか」

「こんなもんで大丈夫かな?」


 俺とエルの目の前には、綺麗に下処理がされた闇羽虫とアイ・デューサがある。


「おっ、綺麗に処理できてるじゃねぇか。上出来だ!」


 振り向くと、パイ包のようなものが乗っている皿を片手に、オイゲンが笑っていた。


「最初はなんとも言えない背徳感があったが、途中から慣れてきてもう食材にしか見えなくなってきた」


 と、闇羽虫の羽を顔の前にかざしながら言ってみる。


「私も、最初にうごめく触手を渡された時はどうしようかと思いましたが、調理をしていくとなんだか慣れちゃいました。自分の適応力が怖いです」


「それじゃあ処理してくれた食材たちは使わせてもらうぜ! ありがとな、楽しみにしとけよ!」


 そういうオイゲンに食材を託し、俺とエルはミュウとニュウの元に戻った。


「おかえり〜。どう? 今回もちゃんと食べられそう?」


 もうかなり少なくなっているパンを大切そうにちびちびと食べながらミュウが聞く。


「そうだな。闇羽虫はほぼ海老の味に近しい香りだったから食べたらイケるんじゃないか? 多分ムチョ=ムッチョみたいな美味しさがあると思うぜ」


「アイ・デューサも食感的には美味しそうです! ただ、どんな味がするかは未知数ですね……」


 俺とエルの回答を受けて、少し安心した様子のミュウはしみじみと呟く。


「それにしても、まさかダンジョンに潜って魔物料理を食べることになるなんて思いもしなかったわ。いやー、人生何が起きるかわからないね〜」


 ダンジョン探索を始めて、もう既に15時間以上経過している。

 俺たちは疲れ切った身体を休ませるため、オイゲンの声が響くまで、束の間の休息をとることにした。

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