42泊目 ダンジョン/ゆらぎ
装飾もあらかた剥ぎ終わったところで、香炉がこれ以上作動しないよう、エルの爆弾で壊した。
物凄い音を立てて崩れ去った香炉を見た時、今まで緊張していた糸がゆるんだような気持ちになる。
ああ、お腹がいっぱいっていうのは、本当に満たされた状態なんだなあ……。
今まで食べてきた食材たちに心の中で感謝をして、仲間と共に改めて下層を目指すことにする。
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それぞれのレベルも上がってきたため、階段を手分けして探す。
この階層の魔物なら、5人揃ったパーティーでなくても、2、3人で楽に狩れるくらいには成長をしてきたようだ。
「あっ! みなさん、こっちです〜! 階段、ありました!」
先に階段を見つけたのは、ミュウニュウとエルの女性陣パーティーだった。
エルの声に俺とオイゲンが駆けつけると、目の前には下層へと続く階段が存在感を放っている。
「な、長かった…!! 三下層、凹むくらい長かった……!! そして香炉の罠は、もう一生喰らいたくねぇ……!! 四下層目はどうにか簡単に攻略できることを祈る……!!」
なんだかフラグを立ててしまうような発言になってしまったな……。
気にしていても仕方ない!
次の階層では、どんな魔物や罠と出会うことになるのだろうか? 宝は何か見つかるか?
俺たちはほんの少しの期待と、多くの不安を込めた右足を、一歩前に進めた。




