33泊目 マンドラゴラのギョロ目は怖い
マンドラゴラに追加して2体のゴブリンを仕留めた。
どこからどう見ても食べられそうな見た目はしていない……というか、食欲が湧きそうにもない見た目をしている。
「坊ちゃん、結界陣を頼めるか?」
「ああ、大丈夫だが、何するんだ? 早く3人のところに戻った方が良いんじゃないか?」
「いや、あいつらの目の前で調理したらキモい、グロい、食べない、とか言い出しそうだからな。ちゃちゃっとここで調理してやろう、ってな」
「なるほどな。ゴブリンを食べるなんて言ったら卒倒しそうだもんなあ」
「だろ? それに、とにかくいっぱい食べるフードファイターたちが揃ってるんだ。そろそろ向こうの食糧も尽きてきたと思うし、急いで作って持ってってやらねぇとな」
そう言いながら腕捲りをするオイゲンは、新しい試練にチャレンジをする勇者のように見えた。なんとも頼もしい背中だ……!
調理の準備をするオイゲンを横目に、俺は結界陣を張っていく。
結界陣があるとはいえ、この辺りは魔物の数も多い。
オイゲンの調理が早めに終わるように、俺もやれることを手伝うとするか。
「何か手伝うよ。どうすればいい?」
「おっ、それじゃあマンドラゴラの下処理を頼む。俺様はちょいとゴブリンに手一杯なんでな!」
そう言われた瞬間、マンドラゴラが5体、こちらに向かって投げられた。
それらを素早くキャッチしてまじまじと見てみるが、コイツらの下処理って、一体どうやりゃいいんだ……? 普通に茹でるだけじゃあダメだよな?
「オイゲン、これ、下処理って何をすれば良いんだ?」
「ああ、まずマンドラゴラの目をくり抜いて、その中にこの香草を詰めてくれ」
「目をくり抜くって……マジかよ、なんか呪われそうだな……」
そうは言っても、やるしかない、か……。
こらから食べようとしている食料だ。その命に感謝してありがたくいただくためにも、調理にも心を込めないとな!




