023.名前を付けました
「なんで異世界に来てまでこんな事で悩まないといけないのよ……。ダンジョンを運営すればDPを使ってスキル覚え放題みたいな事言ってたくせに~!」
あのクソ管理者が……! と悪態を吐く。
まあ、本当は覚え放題何て言ってないんだけど。ダンジョンマスターにならなければ当面の生活費を貰ってどこかに放り出されて、ダンジョンマスターになったらDPでスキルを覚える事も出来るっていうだけで。
でも普通ここまでDPに苦労するとか思わないじゃない?
DP節約するために水と酸っぱいパンを齧って、剥き出しの地面の上に布団を引いて洞窟暮らしよ。
起きてる時は延々獲物を狩っては、傷だらけになってるし。
……あれ? 生活費貰って街で暮らした方が良かったんじゃ無いの?
今やってる事を考えたら、大抵の仕事は出来る気がするわ。
ぶちぶちと文句を言いながら、残りの酸っぱくて固いパンを食べる。
ついでに欲しそうな顔をしていたので、横に座って尻尾を振っていたコボルト達にも少しずつ千切って分けて上げる。
元気出して。とばかりに囲んでくっ付いて来るコボルト達が温かい。
「ありがとう。隊長達は優しいね~」
コボルト達の中で一番最初に仲間になった子の頭を撫でる。
耳の間の毛を、爪というか指の頭を立てる様にして左右にわしわしと掻きながらお礼を言ったら、ぽわんぽわんとまたコボルトが光を放った。
「あら? 回復した訳じゃ無いわよね?」
指定できない方の【撫でる】の効果が発動したんだろうか?
天の声が何を言っていたか分かるかな? とコボルトの頭を撫でながら聞いてみる。
特に毛並みが変わった様子は無さそうなのよね。
「あのねー。なんか、おなまえがついたみたい?」
嬉しい。と、コボルトは尻尾を千切れんばかりに振る。
「【鑑定】」
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『隊長
レベル5 コボルト
コボルト自体の肉は筋が多くて臭みがあるが 名前持ちになったために噛めば美味しい肉質に変化した
弱点は雷のままだが多少の音なら我慢できる』
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うん。適当にコボルト達の隊長って意味で読んだら、名前になっちゃったんだけど。
そして弱点はそのままだし美味しくなったしで、全然強くなってないよね?
それでも嬉しいのか、コボルト達は「わうわうわう」と鳴きながら、隊長を囲んで喜びを表している。
「ネームドモンスターは通常のモンスターより少しずつ強いですよ」
と白銀さん。
どうも、ちょっとしたステータスが高くなっていたり、新しいスキルを覚えたりするらしい。
何でも召喚モンスターでネームドを出すには、特別なガチャを引くか、ランダムガチャで低い確率の中から引くかになるらしい。
それから召喚と眷属化両方ともなんだけど、DPを使ってネームドに昇級するためのアイテムを購入する(モンスターのランクにもよるけど基本的にお高い)か、特殊な経験を積んで自己進化させるかしないとなんだそうだ。
召喚モンスターは中々そこまで経験を積むほど生き残らないから、どちらかというと眷属化した子の方がネームドには成りやすいらしいけど、それも強いモンスターが偶に成れるぐらいのものだから、Eランクのコボルトがネームドになるなんてとても珍しいのだそう。
「へ~。凄いねえ」
良い子良い子と隊長の頭を撫でれば、我も我もと後ろにコボルト達が並び、その後ろに角うさぎ達、更にホーソーンビー達が並んだから、疲れが取れると良いな~と思いつつ、撫でながら回復を掛けて回ったのだった。
ネーミングセンスなんて物は無かったんだ。
魔物達はネームドになると強くなれるので、名前の中身については余り気にしていません。多分……。




