クズの組織
ひたすら走った先には少し広めの広場があった。
まだ留置所本館からは抜けていないはずである。
なのに人が固まっている。
その人達の服装は皆粗末で不快感を及ぼす。
全員凶悪犯だ。そう確信できる。
明からさまに悪そうなやつや街で歩いてたら警戒もしないような人もいる。
「あ?お前も仲間か?」
一人の男に声をかけられる。
「ああ。その通りだ。」
「ランクは?」
ランクとは凶悪犯の中でも危険度を判断するものだ。
これが乙なことに体に焼きとして入れられる。
あれは本当に痛かった…
ちなみにアルファベットで管理されておりSが一番上である。
「Eですよ。」
「何だ小物か。」
「あなたは?」
男のつまらなそうな反応が俺のランクも聞いてくれた言わんばかりだった。
気を使って聞いてやった。
社会に出てもやっていけるかもしれない。
そんな権利は俺にはないが。
「Aランクだ。」
Aランクというと人を二桁は殺している。
大犯罪、ニュースで何日も取り扱われていただろう。
「びびっちまったか、まあ仕方ねぇか。俺くらいの相手を前にしたらな。ちなみにどの人を殺したか興味あるか、まず独り目はな…」
「うるせぇ黙れ。」
よくぞ言ってくれたと言わんばかりにそこから声がした。
文句を言ったのは女だった。
髪は絡み合って汚らしい、そう思ったが自分も多分そうなんだろうと思い考えるのをやめた。
「あ?」
「聞こえなかったかウルセェって言ったんだよ。」
「何?殺されたいの?」
「殺せるもんならやってみろよ」
小学生が話していたらただの強がりだがこの二人ならやりかねない。
というか百パーセント殺し合いになる。
決して止めるものはいない。
というよりも他の大勢の奴らは遠目から喧嘩を早く見たいという目でこちらを見ている。
男が女の胸ぐらに掴みかかった瞬間女は男の局部を蹴り上げる。
男は怯むかと思ったがそのまま女を背負いなげる。
女は空中で男の腕をほどきそのまま蹴りを食らわせる。
どちらも格闘技を習っているのだろう、ハイレベルな喧嘩につい見入ってしまう。
やはりこういうところは自分も犯罪者だなと思う。
何度か顔面を殴り合っているが致命的な攻撃は与えられていない。
どちらもハイレベルだというのもあるが、やはり凶器がないのが影響しているのだろう。
そんな醜い喧嘩を止めに入ったものがいた。
俺を脱獄させた男だ。
「やめろ、やめろ、これから仲間になるんだぞ。」
この男は何を言っているんだ?…
ここにいる全員が首を傾げてそう思ったに違いない。




