ながめがよいこのごろ7
仮想空間。
深い青紫が無限に続く。
時間が来るまで僕にとっては暇でしかないこの授業では、旅に出るようにしている。行ったことのない場所、写真で見たことしかない場所を思い浮かべて、旅に出るのだ。
今日はどこに行こうか………
そう迷っていると、僕はまだ何も望んでいないのに、世界に色がつき始めた。
七色の水彩絵の具を水に溶かしたような、カラフルでぼやけた空間が出来上がった。地面も空もない。僕はただプカプカと浮かびながら、ここはどこだろうと考える。
ふいに、聞き覚えのある声が僕の思考を遮った。
「ロゼッタ!」
ロウだ。ロウが泳ぐようにして僕の方へやって来ている。
しかしなぜ?
仮想空間同士は決して交わらないはずなのに。
「ロウ、一体どうやってここに?」
すぐそこまでやって来たロウの手をつかんで、僕の方へ引き寄せた。
「やっとよ!やっと成功したの!」
興奮が押さえられないというように、ロウは手足をパタパタさせた。
「私はね自分の仮想空間が作れないの」
え?
「適性がないみたい。だからいつも誰かの世界にランダムで配置されるのだけれど、そうなると私はある意味異物でしょ?だから出来るだけ存在を消して、ただ無心に観察を続けていたわ。」
初めて聞かされる授業の内容はあまりにも惨いものだった。
戦場にて仲間が殺されてゆく日もあれば、殺人鬼になって無差別に殺し続ける日もある。また、人以外の生物、例えば犬とか猫とか羊とか、それらになりきって生活をする日もあるらしい。一番ひどかったのは生と死を繰り返す日。体をバラバラにして、時間を戻して、またバラバラにして………というのを時間の限り繰り返す。
僕の旅とはあまりにもかけ離れたものだった。