仲間
「おはようございます。」
「ああ、おはよう。とりあえず朝ご飯作ったから食べなよ。それから、いろいろ話そう?」
「はい。」
モグモグモグ
久々に飯を炊いてみたのだが、三合すべてシャーナの胃袋に消えた。
「おいしかった?」
「はい。あの、ありがとうございます。」
「ううん、気にしなくていいよ!それで、なんでつかまっていたの?」
「その、わからないんです。」
「そっか。」
「…いいんですか?」
「うん、だって覚えてないんでしょ?仕方ないよそれじゃあ。それでこれからどうするの?」
「シュンヤさん、私は家事一般や弓などはできるので、ここにおいてください。」
「うん、いいよ。」
「ありがとうございます。って、いいんですか?」
「うん。あ、そうだこのペンダントつけて。」
そういって、タンスの中から虹色のシュンヤの持つペンダントと同じものをわたした。
「ヘーパイトス。」
(おうよ)
「え、だれですか?」
「幽霊だよ!」
「え!?ゆ、幽霊!?」
(ちゃうわボケェ!)
「誰なんですか?」
「この家の管理人みたいなものだと思えば大丈夫。」
「よろしくお願いしますヘーパイトス様、シュンヤ様。」
「様付けはいらないよ。」
「いえ、こう呼ばさせてもらいます。ここはゆづれません!私の命の恩人なんですから。」
「(あ、はい。)」
そういって、シャーナはヘーパイトスに案内されながら、掃除洗濯をしに行った。
シュンヤは、畑に行き。昨日の分まで作業をし終え、いつも通りに鍛冶に没頭する。
外が暗くなってきたころ、いい匂いが鍛冶部屋にまでただ追ってきた。
広間に行くと、料理がテーブルに並べられていた。
「あ、おつかれさまです。シュンヤさんは好き嫌いってありますか?」
「いや、そんなものないですよ。」
(おいおい、シュンヤちょっとシャーナちゃんに敬語使いすぎじゃないか?俺には、そんな言葉使われた覚えないぞ。)
「ははは、昔からの付き合いだろ。」
(ばか、一年すらまだ立ってないわ。)
「仲がよろしいんですね。」
「(全然!)」
シャーナは、自分で家事一般ができるというだけあってかなかなか豪勢な食事に仕上げられていた。
洗濯もしたのか、そとの洗濯物の竿に服が干され、鍛冶部屋以外の部屋もきれいになっていた。
しかも、風呂を沸かせておいてくれるという、なかなかできた女性だ。
「ああー、久々にゆっくりつかれたなあ。」
コンコン
「シュンヤさん」
「え、はい。」
「お背中流しますね。」
「いやいや、バッバカ!」
「え?」
「いいから外に出て。」
ふー、さすがにそれはまずいわ。俺も男だし、ヘーパイトスがどこで見てるかわかったもんじゃない。
リラックスして風呂につかれはしなかったが、久々の総会移管に浸れたシュンヤはシャーナに風呂に入るように言うと、広間で疲れてたのか眠ってしまった。
(なあ、シャーナ。なんで、シュンヤにつかえることにしたんだ?お前さん、かなりの実力者だろ?)
「ふふふ、ひとめぼれですわ。あなたもでしょ、ヘーパイトス様?」
(ちっ、まあいい。あいつに変な事をするなよ?)
「わかってますわ。」
こんな会話の殴り合いが続く中、シュンヤはいびきをかき、眠っていた。