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最強の鍛冶師(スミス)  作者: 新井正一
3/8

鍛錬

朝じゃぞー。)

「うるさいなあ、なんでそんなに元気なんだよ。」

(さ、準備して鍛冶場に入れ!)

「ダメダメ、午前中は畑の手入れ。」

(冷蔵庫には食料がたくさんあるじゃろう。しかも、時間が止まってるから賞味期限もないぞ?)

「何さらっと爆弾宣言してんだよ。とにかく、死活問題だから鍛冶場は午後から。」

(ううむ、午後からだな?)

「ああ、午後から。」

(約束だぞ?)

「しつこいわっ。」


朝ご飯は簡単だ、パンに目玉焼き、ベーコン。なぜかここには、ガスコンロに似たものとか、ほとんど電化製品に似たものらがそろっている。

朝食を食べ終え、さっそく雑草などが生い茂る畑に到着。


「よし、始めるか。」

(なぜお主は刀を持っている?」

「え、これで刈り取るからに決まってるじゃないか。」

(せっかく作った刀の初陣が雑草狩りなど、なげかわしい。)

「ほっとけ!」


スパッ

抵抗なくきれいに刈り取られていく。たくさんの雑草たちはものの1時間ほどで、刈り取り終了となった。


「ううん、はやすぎたな…」

(よし、鍛冶場へ行くぞ!!)

「はあ、仕方ないか。」


昨日と同じように、ヘーパイトスの指示どうり打って打って打ちまくる。だんだんと、指示がなくとも体でも頭でも覚え始めてきた。お昼になり、とりあえずの休憩。


「そういえばさ、雑草を刈ってる時に気が付いたんだけど、刀のふりに違和感が全くなかった。」

(うん?剣を習ってたわけじゃないのか?)

「いや、特に何も習ってないし、あんな体の動かし方自体初めてだよ。もしかしだけどさ、このスキルにある試し切りの効果じゃないかと思うんだけど。」

(おお、そういえば、そんなスキルもあったな。)

「おいおい、鍛冶以外興味なしかい。」

(うむ。)

「いやいや、肯定するなって。でさ、これ使い方次第ではなかなかいいスキルだと思うんだ。それでさ…」

(ふむ、面白い。1週間後ちょうどよい場所に案内してやろう。その時試してみればいい。)

「お、いいのか?よし来た。」

(うむ。休憩はおしまいだ、さあ、続きをやるぞ。)

「はいはい…」


カーン、カーン

蒸した部屋に響き渡る音。

音は規則性があり、何度も打ち付ける。しかし、だんだんと昨日とは違う変化が現れ始めた。


(ん?刀を作るんじゃないのか?)

「うん、なんかこの素材は違う気がする。」

(ふーむ、面白い…)


シュンヤは、周りが暗く自分と打ち付けている剣しか、存在しない世界にいるのかと勘違いしそうになるほどの集中をしていた。

形が次第に定まっていく。刀を作る時とは違い、金槌を下す強さがだんだん大きくなる。


(ほぉ、大剣か?)

「ああ、そうみたいだな。なんか、この素材は刀じゃないって、大剣だって言ってくる気がして。」

(ほぉ、素材の声か…)

「ああ、そんな感じ。」


特に昨日以上のランクになったわけじゃない。しかし、昨日の刀より今日の大剣のほうが確実に性能が上がっている。ランクは、幅が広い。つまり次のランクに行くにはそれ相応の性能がなくてはならない。


(ふむ、これはなかなか面白いわい。)

「なんか言ったか?」

(気にするな、うち続けろ。)


この日も次の日も、ただ黙って鉄を打ち続ける。

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