鍛冶師
朝日が昇り、シュンヤの顔に朝日が差し込む。
(よく寝られたか?)
「ああ、想像以上にぐっすり寝られたよ。」
(今日はまずこの島について説明するからの。朝食は何か外のフルーツをつまみながらでもできるだろう。)
「了解。」
早速顔を洗い、服はこの家にある作業着を着る。風呂はあるが、とりあえず蛇口のお湯で濡らしたタオルで体を拭く。驚くことに、給湯器がついていないにもかかわらず、赤い蛇口をひねるとお湯がタイムロスなしに流れる。
「OK!ぼちぼち行こうか。」
(ふむ、そこの引き出しにあるペンダントをつけろ。それがあれば、外でも会話可能だ。)
引き出しを開けると中には、きれいな虹色の鍛冶屋のマークが入ってるメダルのペンダントがあった。
「じゃ、行きますか。」
ドアを開け石畳に舗装され、わきには木々が生い茂る道をヘーパイトスにいわれるがまま、歩くこと約10分。目の前には崖があった。
(まずはここから説明したほうがいい気がしてのう。)
そんなヘーパイトスの言葉のさなか、シュンヤは口をあんぐり開けて崖の下を食い入るように見ていた。
「おいおい、ファンタジーだな…」
(ふふふ、だろう。)
崖のはるか下に見える海面。今踏みしめている大地は、空中に浮かんでいたのだ。そうそれも、かなりの高度がある。しかし、風はなく穏やかな陽気だ。
「なんで、浮いてんの?」
(それは、ロマンだからだ。)
「あはは、すごいな。」
(そうだろ?)
そして、この崖に来る前にあった分かれ道の、先ほどとは逆に行くと、そこには雑草の生い茂る畑らしきものがあった。
(ここなら食べ物はある、適当に食べよ。毒はない…と思う。)
「おいおい、なんで毒があるんだよ。」
鑑定してみると、地球と同じフルーツや野菜が育てられており、嬉しいことに鑑定しても毒のある食べ物はなかった。
その後は、この島の周りを回ったが畑以外はとくに何かがあるわけでもなく、島の外円を散歩をした。
(じゃあ、いよいよ鍛冶をするか。)
「いやいや、その前にこの世界のことについて教えてくれよ。」
(それは、また今度だ。お前は、鍛冶師なんだから、まずは鍛冶のことからだ。)
「はいはい。」
(うむまずはだな…
外の日が傾き薄暗くなり始めた。
「うわっ、もう腕が上がんねえよ…」
(いやはや、吸収が早くてついついな。それより、鑑定してみい。)
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武器:刀
ランク:レア
説明:素人から腕利きまでになるまで何度も打ち直し、たたき上げられた刀。
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「レア?ってどれくらい?」
(一流が簡単に叩けるぐらいだな。)
「うーん、なんか微妙な評価だな。とりあえずは、今日はここまでで、後は明日からだな。」
(うむ。汗を拭いて、食べて寝よ。明日もやるぞ!)
「ははは、まったく、鍛冶バカだな。」
そういって作業場からシュンヤが出ていく。
(ははは、奴は逸材じゃな。10時間以上も間髪入れずに一流が持つハンマーと同じのを振るいおった。それも、レアまで来るか。あと何日かあればハイレアまで行けるのう。もう少し追い込んでみるか。)
そのころ風呂場では
「ハックション、うう、風邪か?」