第4話、相棒ならぬ愛犬
もふもふしたい
「私も旅に同行させてください!」
コボリーヌの言ったことに、光治は「エェェェ!?」と言って2回ほど驚いた。
光治の反応に、コボリーヌは「ヒニャア!?」とまるで猫みたいな声を出し、毛を逆立てて驚いた。
しばらくして、二人とも落ち着き、光治は何故驚いたのかをコボリーヌに聞かれた。
しかし、光治は「当たり前じゃん?」と言いたげな顔をした。
「だって、コボルト喋れなかったのにコボリーヌであるあんたは普通に喋ってるから……。」
光治の言った事ことに、コボリーヌは「あ、そう言えば……。」と納得した。
しかし、リザルティアは首をかしげていた。
「光治様?ここはあなたの常識は一切使い物にならない世界ですよ?」
リザルティアの言ったことは、異世界人である光治を納得させるには十分すぎた。
リザルティアの言葉に、光治はすぐに「あ、そうだった。」と納得した。
「それでは、一つ目の問題、解決ですね。」
リザルティアは、パンと手を叩き、勝手に問題を解決した。
しかし、どんな意見を言っても「光治の常識は通らない。」で終わりそうなので、光治は既に8割諦めていた。
コボリーヌは、気を取り直し、2回目の原因を聞いた。
光治は「当たり前じゃん。」と言いたげな顔はせずに、至って真剣な顔だった。
「それは、急にコボリーヌが俺の旅に同行したいとか言い出したからだよ、言っとくけど、目的とかまだ決まってないよ?」
その言葉に、コボリーヌは少しだけ悩んだ。
光治は、答えが出るのをじっくりと待った。
ついでに、目的を考えることにした。
彼女が仲間になると言った場合、あそこまで真面目なことを言ったのに、ノープランでは単純に超格好悪い。
そう思い光治は、コボリーヌが答えを出すまでの間、目的をなんとか見つけ出そうと、瞑想と言われてもおかしくないほど静かに次の目的を考え出した。
リザルティアは、そんな二人を見て、仲間外れのような悲しい感情に襲われていた。
少し経ち、先にコボリーヌが答えを出した。
「光治さん、答え出ました。」
そう言われ、光治は一旦目的を考えるのを中止した。
「で?どうするの?」
光治は、そう言ってコボリーヌを見た。
コボリーヌは、覚悟を決めた目をしており、既に答えはわかってしまった。
「私、それでも光治さんの旅同行させてもらいます!」
コボリーヌの答えに、光治は「やっぱりか……。」とため息を吐いたが、内心コボリーヌの答えに満足しており、「これからよろしくね。」と言い、コボリーヌと握手をした。
ここでコボリーヌは、とある提案を光治に言った。
「どうせ仲間になるのです、せっかくですから名前を付けてください!」
コボリーヌの言葉に、光治は「どうせだしね」と言って了解した。
といっても、ネーミングセンスがない光治からすれば、この問題の方が解決が難しかった。
そもそも、ペットなんて飼ったこと無いのに、ネーミングセンスがあるかと聞かれたら、無いに決まっている。
なので、持ってきた小説からアイデアを貰うことにした。
しばらく悩んだが、自分では「良いのではないか?」と言う名前が決まった。
異世界と言えば、ほとんど外人のような名前が多いイメージがあったので、そこ辺りもしつかりと考えた。
「じゃあ、リオーンなんてどうかな?」
光治の考えた名前に、コボリーヌは少しだけ考えたが、嬉しいのか、尻尾を大きく振りだした。
「ありがとうございます!これからはリオーンと名乗ります!」
よほど気に入ったのか、リオーンの尻尾は更に激しく左右に振られた。
普通なら微笑ましい光景だ。
しかし、光治の顔には恐怖しかなかった。
何故ならリオーンの振った尻尾の風圧で、鎌鼬が発生しているからだ。
そして、その鎌鼬に近付いた虫などが、次の瞬間には塵も残らず切り刻まれた。
光治は、気になったのでリオーンのステータスを見てみた。
リオーン
人間年齢16歳
コボリーヌ
Lv87
HP12000
MP5600
物理攻撃58000
魔法攻撃6700
物理防御7500
魔法防御8000
素早さ98000
魔力7400
成長適正、物理攻撃、素早さ
魔法適正&耐性
火、適正C、耐性400
水、適正A、耐性999
雷、適正A、耐性250
氷、適正C、耐性300
土、適正C、耐性260
風、適正S、耐性750
光、適正B、耐性400
闇、適正A、耐性240
癒、適正B
スキル
《手刀》LvMAX
《嵐脚》Lv88
《身体硬化》Lv98
《神速》LvMAX
魔法
水、雷、風、闇
称号
《最大の武器は己の手足》《主人持ち》
「え?」
これがリオーンのステータスを見た光治の第一声である。
リザルティア程ではないが、リオーンも格上の存在。
(も、もしかして……、ここってあのコボルト以外全員格上なんじゃ……)
光治は、少しだけ自信を無くした。
リザルティアは、光治の考えていることを理解したのか、そっとアイテムを渡した。
光治は、渡されたアイテムを見てみた。
《天眼》とかげを龍どころか神獣にするほどの力を持つ宝玉。効果、経験値+100000000000
光治は、渡されたアイテムをアイテムボックスにしまった。
それを見て、リザルティアは「あれ?」と言って首をかしげた。
その反応を見て、光治はイラつき、リザルティアにデコピンを食らわせた。
リザルティアは、「痛い!」と言って涙目になりながら光治を見た。
その顔は、「何がいけなかったのですか?」と、全くわかっていない者の顔だった。
「気持ちは嬉しいけどこれ使ったら面白味が無くなる!」
光治の言ったことに、リザルティアはハッとなり、「ごめんなさい!」と謝ってきた。
光治は、別にそこまで責めるつもりは無かったので、すぐに許した。
こうして光治の旅に、新しい仲間が加わった。
ちなみに自分はハムスターとセキセイインコ飼ってます(2匹ずつ)