第1話、最初の確認
一話目になります。
楽しんでください。
気付くと、光治は草原にいた。
「取り敢えず持ち物とステータスそのたもろもろ確認しとくか」
光治は、まず持ち物を確認した。
持ち物
[小説]
「やっぱりこれだけか……」
光治はため息を吐き、そして今更あることに驚いた。
「小説だけこっちの世界に持ってきてる!?」
小説を持ってこれていることに、光治はテュラリムの「異世界に行ってきてほしい」よりも驚いていた。
そして、光治はすぐに切り替えた。
「よし、次は装備品の確認だ」
光治は、装備品を見た。
頭[無し]防御力0
胴[学制服・上]防御力10、耐久値100/100
腕[無し]防御力0
腰[革のベルト]防御力5、耐久値100/100
脚[学制服・下]防御力10、耐久値100/100
足[スニーカー]素早さ20、耐久値100/100
武器[無し]攻撃力0
「初期にしてはいいんじゃないかな?」
光治はまずまずな効果に満足し、自身が一番気になっていたものを見ることにした。
「さてと、たしかテュラリムの言ってたのとは…確か〈ステータスオープン〉だったな」
事前にテュラリムに伝えられていたステータスを見るための方法を、光治は言った。
すると、目の前に自身のステータスが出現した。
神谷 光治
17歳
人間
Lv1(NEXT100)
HP300/300
MP200/200
物理攻撃120
魔法攻撃65
物理防御80
魔法防御70
素早さ135
魔力130
成長適正、MP、物理攻撃、素早さ
魔法適正&耐性(適正=ランク、耐性=数値)
火、適正C、耐性50
水、適正B、耐性50
雷、適正C、耐性50
氷、適正S、耐性150
土、適正D、耐性50
風、適正C、耐性50
光、適正D、耐性50
闇、適正E、耐性50
癒、適正B
スキル(LvUP=消費MPDOWNまたは威力UP)
《念話》Lv1(最高Lv10)
《反撃》Lv1(最高Lv10)
《武器製作》Lv1(最高Lv10)
魔法
水、氷、癒
称号
《巻き込まれた者》《反撃好き》《生物対話》《鍛冶師》《テュラリムの友達》《スキルチート》
「なるほど……、そう言えばテュラリムが言ってたけど能力値の平均って確かHP300、MP150、残り100辺りが平均的だったっけか?俺の場合だと……成長適正に書いてある通りにMPと物理攻撃と素早さが高いけどそれ以外が若干低いな……、あ、そうだ、テュラリムがスキルは詳細が書かれてるって言ってたな、少しだけ見てみよう」
光治は、それぞれのスキルの詳細を見た。
《念話》自分の種族の言葉がわからない相手の脳内に直接話し掛ける。(全ての種族語可能)
[Lv1]消費MP10、最大人数10
《反撃》相手の攻撃を2倍~100倍までの威力にして返す。
[Lv1]消費MP[2倍~40倍=+200][41倍~99倍=+800][100倍=55000]
《武器製作》知っている武器なら何でも作れる。
銃は製作不可。
[Lv1]消費MP50
「なるほどね、まあ、まだLv1だしこんなもんか」
光治は、ステータスを見てそう考えた。
その後、しばらくの間ステータスの数値を見て、どこを気遣って戦えば良いか等を考えた。
今の光治のステータスは、少しだけ偏りがあるので、今の内に作戦などを考えておくのが正しい判断だろう。
もしかしたら異世界に来て早々に死ぬ、そんな事もあり得る。
今の内にたいさくをとっておくべきだ。
光治はそう考え、早速イメージトレーニング等を行い、戦闘に備えた。
光治はしばらくイメージトレーニングを続け、集中力を高めた。
「よし、早速倒せそうな魔物を探しに行くか」
光治はそう言って立ち上がり、草原を歩き出した。
少し歩いた所で、目の前の草むらが「ガサガサッ」と音を立てて揺れた。
「初戦闘かな?」
そう言って光治は、素早く《武器製作》を使い、刀を作り出した。
「確か想像した武器が出てくるんだったな」
そう言って光治は、ある武器を想像した。
すると、想像した[刀]を作り出すことに成功した。
[刀]普通の刀。耐久値100/100。装備効果、攻撃力50
「おお、思ったよりも良い出来ではないか!」
光治は一人でそんなことを言い、刀を早速装備した。
そして、目の前の草むらに潜んでいるものが出てくるのを待った。
すると、草むらから黒い影が勢いよく飛び出してきた。
弾丸並みのスピードの体当たりだったが、光治は上げられた身体能力と集中状態を最大限に使い、間一髪が回避した。
光治は、飛んできたものを目で追い、着地と同時に存在を確認した。
そこには、少し薄い青色のスライムがいた。
スライムは、こちらを警戒し、ぷるぷると震えている。
光治はここであることを確信した。
(このスライム……Lv1じゃないし、明らかに俺より格上……)
光治は、少しだけ後ろに下がった。
光治の反応を見て、スライムはほんの少しだけ震えが弱くなった。
しかし、まだぷるぷると震えている。
恐らくはさっきの弾丸並みのスピードの体当たりだろうと光治は考え、身震いした。
ここで光治はあることを思い付き、スキル《念話》を目の前のスライムに使った。
(あーあー、聞こえるか?)
(え?だ、誰?)
スライムは、誰の声かわからずに、辺りをキョロキョロ見回し始めた。
光治は、(もしかしたら仲良くなれるのでは?)と考え、《念話》を続けた。
(あんたの目の前にいる人間だよ)
《念話》でそう送ると、スライムは震えを止めた。
光治は《念話》を続けた。
(そうなの?まさか人間と喋る日が来るなんてね……)
(そうか、で?あんたは俺を殺すのか?)
光治は、ここで少しだけ勝負に出た。
ここでNOが帰ってくれば、そのままお互いに傷付けあいをせずに済む。
(あなたが私に危害を加えないのなら見逃すけど?)
スライムはそう返してきた。
光治は、ここで一安心した。
(それなら見逃して欲しい)
光治はスライムにそう言った。
すると、スライムは少し震えた後、光治に寄った。
(ならあなたを信じるね)
スライムはそう言って光治の股を抜ける感じで通り抜けた。
(あ、少し待って)
ここで光治は、スライムを止めた。
(なに?まだ何かあるの?)
スライムは、そんな疑問を投げ掛けてきた。
光治は、少しだけ考えた。
今自分がやろうとしていることは、下手したら相手の逆鱗に触れて最悪殺されると、そう考えたのだ。
しかし、光治は(ええい!物は試しだ!)と覚悟を決め、ゆっくりとスライムに近付いた。
そして、スライムになるべく目線を合わせるためにしゃがんだ。
そして、(俺の仲間にならないか?)とスライムに向けてそう言った。
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