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異世界でスキル無双中  作者: やもな~
一章[反撃の正しい使い方]
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第9話、命創竜

 光治の目の前のドラゴンは、警戒しているのか、こちらを見たまま動かない。

「くっ……、いって……。」

 光治は距離を取ろうとしたが、体の傷と恐怖で中々動けない。

 そんな光治を見て、ドラゴンは「クルルルル?」と鳴き、首をかしげた。

 どうやら動かない光治を疑問に思っているようだ。

 そして、もうひとつ、なにも聞いてこない限りこのドラゴンは人間の言葉は話せない。

 そう考えた光治は《念話》を使い、話せないか試すことにした。

 (おい……、聞こえるか……?)

 突然頭に響く声、その声にドラゴンは「キュルル!?」と鳴き、周りを見回した。

 その反応を見て、《念話》は通じると確信した光治は、再び念話を送った。

 (お前の目の前の人間だ。生憎今は直接喋ることが出来なくてね……。)

 そう送るとドラゴンは嘘のようにこちらに視線を集中させた。

 その眼は、透き通っており、見るもの全てを魅了してしまいそうな程の輝きを発していた。

 実際に光治も少し見惚れてしまった。

 急になにもしなくなった光治を不思議に思ったのか、ドラゴンは光治に顔を近付けた。

 見た目は美しいが、やはりドラゴン、光治は威圧感を感じてしまった。

 (ちょっ、近い!)

 光治は威圧感に少しビビりつつも、体を動かせないので代わりに念話を送った。

 (あ、聞こえてきた!ねーあなた!なにそれ!スキル?すごいよー!どうやって使ってるのー?)

 以外や以外、光治の念話に対しての返信は光治の想像するドラゴンの気高そうな声などではなく、完全に幼い子供のような声だった。

 光治は、自分の想像していたドラゴンと全く似ても似つかなかったことに、ややショックを受けた。

 そして、それと同時に再び激痛が走った。

「ぐっ………!」

 光治は、必死に痛みを堪え、なんとかギリギリHPを残すことに成功した。


 0.4/800


「HPに少数あるのかよ!」

 そう突っ込みそうになったが、死にたくないので光治は黙りこんだ。

 しかし、何故こんな微妙な数値で耐えたのか、その事は光治自信もよくわかっていない。

 光治は、仕方がないので、賭けで目の前のドラゴンにあることを頼むことにした。

(おい、そこのドラゴン。)

 目の前のドラゴンは、再び念話が聞こえてくると、待ってましたと言わんばかりに光治の方に向き直った。

(はーい♪なにー?)

 目の前のドラゴンは、眼をキラキラさせて光治を見てきた。

 程《念話》というスキルが気に入ったようだ。

 光治は、少々不安になりつつも、目の前のドラゴンに向けてあることを念話で送った。


 (お前、回復出来る?)


 その言葉に、目の前のドラゴンは「こいつなに言ってんの?」と言いたそうな顔をした。

 (あなた…、私を何か理解した上で言ってるの?もし《解析》って言うスキルを持ってるのならそれで私を見てみなさい。)

 先程とは打って変わって冷たい、それこそ光治の求めたドラゴンのような、凄まじい威圧感を放って聞いてきたドラゴンに、光治は完全に気圧された。

 しかし、かといって何も出来ない訳ではない。

 少々荒い呼吸をしながらも、スキル《解析》を使いドラゴンのステータスを確認した。


 命創竜ヒルフォニウス

 Lv298


 Lvが100以上離れているせいか、ネームとLvだけしか解析出来なかった。

 しかし、名前とLvを見る限り、勝てる気がしなくなってきたので、取り敢えず謝って事情を話した。(もちろん念話で。)

 話を聞いたヒルフォニウスは、興味深そうに「クルルル……。」と鳴き、先程の念話に対しての返信をした。

 (ほう、ならば仕方がない、今日はなんとなく機嫌がいい、回復をしてやろう。)

 ヒルフォニウスは、翼を広げ、光治を包み込んだ。


 何が起きたのかわからず、一瞬だけ死を覚悟した。

 しかし、ヒルフォニウスの放った光は優しく、それでいて暖かく、全身を包んだ。

 先程まで激痛に教われていた体はたちまち傷が治っていき、ものの数秒で動けるようになるまで回復した。

 不思議に思い試しに刀を作り出し、素振りした。

 腕等に違和感はない、いつも通り、いや下手したらそれ以上の軽さ。

 どうやったかは知らないが、聞いても無駄そうなのでしばらく素振りを続けた。


 しばらく経ち、光治は刀をしまいリオーン達を探しに行くことにした。

 光治は、お礼を言おうとヒルフォニウスを見た。

 ヒルフォニウスは、「もう行くのか?」と言いたげな表情をしていた。

 (どうした?)

光治は、念のためにヒルフォニウスに聞いた。

 (いや、実はわたしここに住んでもう何十年なんだけど、あなたみたいな人間を見るのは始めてだから、その…わ…、私も君の仲間に入れてくれないだろうか?)

 光治は、その質問にしばらく悩み、念話で(一応付いて来い。)と送り歩き出した。

 ヒルフォニウスは、「よしっ!」とガッツポーズをとり、光治に迷惑のかからないように、少しだけ身を縮めた。

 光治は急に自分の半分まで縮んだヒルフォニウスに対して、「うおっ!?」と言って普通に驚いた。

 ヒルフォニウスは光治の反応を見て笑いそうになったが、なんとか堪えた。

 (流石にあの大きさのまま街とかに入るのは少々まずいからね。)

 ヒルフォニウスはそう言って光治の後を追った。

 涼しい風を浴びながら、光治はリオーン探しを開始した。


 そしてその同時刻、リオーン達は、光治を探すために散ることにした。

「では見つけ次第このアイテムで連絡を。」

 リザルティアはリオーンとスライムに、連絡用のアイテムを渡した。

「光治さん……どうかご無事で……。」

 一番光治の安否を心配するリオーンは、別れた瞬間、なるべく早く見つかるように、ペースを更に上げた。

 そんなリオーンを見て、リザルティア達も少しペースをあげる事にした。


 そしてその頃、光治達の後ろには、またもや謎の影が迫っていた。

 しかしその影は、今までとは比べ物にならないほど敵意と殺意を出していた。

 そして、もちろんのごとく光治はどうでもいい雑談をしていたので気付くことはなかった。

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