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半竜の研究者は世界の秘密が知りたい  作者: 紺ノ
信頼と裏切りと金色の二人
34/162

発覚、犯人はお前か!

初投稿です。

誤字脱字の指摘・ご意見など下されば幸いです。

 ラッドの研究室に逃げ込んで少し休憩をする俺、メリア、ラッドの三人。

 クウェイトは周辺の様子を確認している。

 

 状況を把握しておきたいのだそうだ。

 言いたいことが分かるが、休んでも(ばち)は当たらないはず。

 仕事熱心なことだ。


「ぷはぁ、生き返るぜ!」


 ラッドがガラスのコップに入った水を一気に飲み干す。

 俺とメリアはラッドの研究室にあるソファーに座っていた。


 ラッドが用意してくれた水を俺も飲む。

 

 冷たい水が心地良い。


「もうやだ。私帰るよっ」

「おいおい、そりゃ勘弁してくれ。今回の催しの主役を帰らせるワケにはいかんのよ」


 声を荒げるメリアにラッドが困った顔をしていた。

 

「イヴァン、聞いて。前回は私、宿に軟禁されてたんだよ! 外出たら追いかけられるからって。でも外には竜に関係するモノが一杯あるんだよっ! 地獄だよ!」


 俺の肩を掴んで揺さぶるメリア。

 目に涙を浮かべているので本心だろう。


 ――揺らすな。酔う。


 宿に軟禁されるのは可哀想だけれど、追いかけてくる人間の数が多い。しかも、途中で人が増えていく。

 仕方がないようにも思える。


「もし出席してくれるなら、竜関連の発掘物を廻してやるぜ」

「ホントに!? イヴァンも聞いたね。はい、言質取ったー! 二人で取った-!」


 ――ラッド、相変わらずメリアの扱いを心得てるな。


 ソファーの上でメリアがお菓子を貰った子供のように跳ねて喜ぶ。


 本当にに俺より歳が上なのだろうか。

 俺が十八。メリアは二十二。


 身長がメリアは低い方のため、もう少し若く見られる。

 下手をすれば俺とメリアは上司と部下ではなく兄弟に見えるかもしれない。

 

「毎度この手はメリアの嬢ちゃんにはよく効くなぁ」

「メリアにしか効かないけどな」

「確かに。記録石(スフィア)の解析を依頼したときもこの手を使ったぜ」

「まぁ、メリアだし竜の関連の品物を渡しといたらどんなことでもやるからな」


 あれ。今ラッドの口から記録石(スフィア)って言葉が出なかったか?

 ついでに解析の依頼云々とか。


「だよなー。ははははは」


 俺は笑っているラッドの胸ぐらを掴む。

 ラッドは小さく焦りを声にする。


「やっべ・・・・・・」

「ラッド、お前か。お前がメリアに記録石(スフィア)の解析を依頼したのか!」


 ラッドを壁に押しつけて逃げられないようにする。

 俺の顔色を見てラッドが冷や汗を流し始めた。


「落ち着け。大人は話し合いで解決をする。暴力で解決しない。わかるな?」

「メリアを物で釣っといて何言ってるんだ」

「あの件は悪かった。だから、その拳下ろしてくれないか? 俺はイヴァン君と違って戦えないんだぜ?」

「そうか。わかった」


 俺の言葉を聞いてラッドが安心した表情をした。


「わかったから、一発殴らせろ」

「ちょ、それわかってな、あぁぁ!!?」


―― ◆ ―― ◆ ――

 

 俺とメリアの対面にあるソファーにラッドが座る。

 ラッドは俺に殴られた場所を氷を巻いた布で冷やしている。 


「お前なら記録石(スフィア)の横領がどういう事態を招くかわかってたよな? 最悪、一生お尋ね者だ」

「イヴァン君のおっしゃる通りです・・・・・・」

「まぁ、イヴァンもそこまで怒らなくていいじゃない。世界の真実に近づくためにはいいものなんだからね」


 メリアが俺とラッドの間に入る。


 確かに、世界の真実を知るという夢を叶えるのには近道だろう。

 ただ、その近道は人が一人通れるかもわからない崩れかけの道だ。 


記録石(スフィア)は俺の夢に有用なのは認める。しかし、俺は安全かつ平和にやっていくつもりだったんだ」

「もし、記録石(スフィア)が必要な状況になったらどうするの?」

 

 それは――最悪、国の博物館に展示されている記録石(スフィア)を盗むかもな。


 メリアがニタニタしながら俺の顔を覗き込んでくる。


「あ、絶対悪いこと考えてる」


 なんで俺の考えていることわかるんだよ。

 婆さんが言っていたけど、俺はそんなにわかりやすいのか。


 俺はばつが悪くなって頭を掻く。


「わかった。もう文句言わない。この三人は一蓮托生ってことでいいんだよな」

「そうだね」

「そうなるぜ」


 記録石(スフィア)のことは誰にも知られてはいけない。

 クウェイトがこの場にいなくてよかった。


「そういえばラッドさん、この前依頼してた解読終わったの?」


 何か依頼してたのか。

 ラッドは考古学の専門家だ。

 

 研究室に置かれている本のほとんどが遺跡からの出土品なのか、古代文字の表紙が目につく。他にも石版が研究室の壁に丁寧に飾られている。


 メリアの研究室と方向性は違うが似た雰囲気がある。


 ――好きだから、研究している。


 自分の好きな物だけは決して傷つかないように場所や保存方法に気を配っている。


「あぁ、わかったぜ。アルタミア=サルミアートって奴が何をしていたか。何が記録石(スフィア)に刻まれていたのか」

どうも、やりたい放題の紺ノです。


更新してないのに50アクセスされてましたね。


すごく、嬉しいです(嬉しさのあまり語彙力は欠如しました)。


これからも『竜と魔法と世界の教科書』をよろしくお願いします。


さぁ、これから改稿頑張るべー!

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