第八話 「邪悪な木の精」
ビュ〜っと、風が強くなってくる。
寒いなぁ。しかし、なぜあんな所に家が......?
ちょっと、家を訪ねてみるか。まだ、距離はあるな気をつけていこう。
そうだ、ステータスの確認をしておこう。多分レベルは、結構上がってるはずなんだけど......。
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名前 :アルス
種族: ヒューマン
年齢: 14
職業: - 『RANK 0』
属性 : 全属性
称号 : 冒険者 F
ーステータスー
Lv.25
HP:710
MP:215
攻撃力:165
俊敏力:55
魔法攻撃力:130
知力:53
物防:110
魔防:90
ースキルー
EXS:全属性魔法Lv.1
US: 鑑定Lv.4
SS:-
RS:-
NS : 剣術Lv.4 魔法耐性Lv.1
ー加護ー
???神の加護
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おぉー、予想通り伸びたなぁ。思ったけど、ステータスって個人によって変わるんだな。
お! スキルレベルもいい感じに伸びてきてる!! まだこの世界に来たばかりだけど、とてもいい感じだ。
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よっしゃ〜!! やっと謎の家に着いた......。
正直、この距離とてもしんどかった。草むらを駆け抜け、川を越え、とても疲れた。
この家で休憩させてもらおう。誰かいるかな......??
家は、木で簡単に造られていて、如何にも建てたばかりに見える。
入ってみよう。
《ガチャッ》
お邪魔しまっ......ん? 誰もいないぞ。どーしようか......。
家の中は暖かく、絨毯があり、さっきまで人が居たかの様だ。
あぁ、この絨毯すごく気持ちいい。なんか、眠たくなってきた......。
《パリーンッ!》
「うわ!! なんだ......?」
「ごめんね、起こした?」
そこには、綺麗なお姉さんと割れた何かの破片があった。お姉さんは、オレが居ることに動揺もせず話しかけてきた。
「ご、ごめんなさい! 勝手に入ったりして」
「全然いいのよ。外、寒かったでしょ」
笑顔で応えてくれる。
「ありがとうございます! 僕は、アルスです!」
「私は、エルフィよろしくね!」
「思ったんですけど、何故こんな所に家が?」
「あ、それは私の魔法ですよ!」
「魔法!?」
魔法って何でもアリだな......。
「そう、魔法よ。私の属性は少しだけ特殊で木属性なの!」
木属性......? 確かに、基本属性を聞いた時には聞かなかったな。
「め、めずらしいしいですね!」
「でしょ〜! 魔法覚えるのも苦労したんだから」
それより、ステータスが凄く気になる......見てみよう。
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名前 :エルフィ・トゥワルツ
種族: ヒューマン
年齢: 24
職業:魔術師『RANK 1』
属性 : 木属性
称号 : 冒険者 C
ーステータスー
Lv.38
HP:1,200
MP:750
攻撃力:170
俊敏力:58
魔法攻撃力:290
知力:98
物防:85
魔防:210
ースキルー
EXS:-
US : -
SS:木造魔法Lv.8
RS:木属性魔法Lv.9
NS : 基本魔法Lv.5
ー加護ー
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なるほど、ヴァトスさんの時みたいな衝激はなかったけど普通に凄いこの人。
「そーいえば、エルフィさんは、何故ここに?」
「私は、この山に生息する、邪悪な木霊を倒しに来たの」
木霊? 聞いたことはあるけど、邪悪な木霊なんて聞かないな。
「邪悪な木霊って?」
「邪悪な木霊は、善良な木霊から変異したものなの。だから、邪悪な木霊を倒さないと、善良な木霊に戻ってくれないの。ほっとくと、山に来た人全てを祟りに晒すらしいの」
「それは、まずいですね......。僕も手伝いたいところなんですけど用事が......」
「何です? よければ私に話してみて」
「この山に住むサイクロプスの角が必要なんだ」
自然とエルフィさんに話してしまった。
「サイクロプスの角!?」
エルフィさんが腰に掛けていたカバンから、白く鋭い物を取り出してきた。
「ま、まさか......!?」
「そう、そのまさか、サイクロプスの角よ!! 私がこの山にいる時、サイクロプスから価値のある角だけを奪ったの。欲しい? ふふふっ」
エルフィさんは、微笑しこちらに尋ねて来た。
しかし、すごいな。角だけを奪うとか可能なんだな。オレは、倒すことしか考えてなかった......。
「欲しい......です!」
「いいわよ。でも、もちろん条件を呑み込んでくれたらね!」
「な、なにですか?」
「予想はついてると思うけど、邪悪な木霊を倒しについて来てほしいの。いいかな?」
「もちろん! 手伝わせていただきます!!」
角も欲しいからね......。