第七話 「三匹の姉妹」
「サイクロプスはな、スリン山という山におる。その山の推奨レベルは、35レベルなんだがいけるよな? その武器だと相当の実力者と思うんだが......」
35......!? ......ちょうどいい、この武器も試したいところだしな。
アルスは、どこか自信に満ち溢れていた。
「おじさん! オレ倒してみせるよ!サイクロプス......?って奴を!」
「若いのに、威勢があっていいな! じゃあ、頼んだよ。 報酬はすごく良いもの用意するよ!!」
「うん!」
報酬は何かはわからないけど、このおじさんは、きっと凄いものをくれるような気がする。
「スリン山は、この街を真っ直ぐ進んで抜けたところにあるよ〜」
「わかった! 頑張ってくるよ」
そう言い、おじさんと別れ、スリン山を目指した。
いざ行くとなると少し不安だな......。
え〜っと、この道を真っ直ぐっと。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ースリン山(下部)ー
ここか......。
アルスが目の前にしたのは、霧がかかっており、少し紫で、凄く不気味な森だった。
やっぱり帰って仲間を探そうかな〜......なんてね。
よし、一人で頑張るぞ!
すると、奥の方から気配がした。
「な、なんだ? ずっとさっきからずっと見られてるような気がするな」
気配を感じながらもアルスは、どんどん上に登って行く。
「霧が濃くなってほとんど前が見えなくなってきたな。このまま進んで大丈夫かな......」
アルスは進んでいると木の根っこに引っかかった。
「痛っ!」
すると、奥から無数の何かが出てきた。
《ギシシシッ》
《ギシギシシシッ》
《ギシーッ》
なんだ!? 何かに囲まれた!
そうだ、鑑定だ!!
アルスは霧で見えない中気配のする方に鑑定能力を使った。
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名前 : パムプレド
種族 : 魔族
ーステータスー
Lv.30
HP : 230
MP:250
攻撃力:60
俊敏力:105
魔法攻撃力:120
知力:110
物防:30
魔防:90
ーアビリティー
EXS:-
US : -
SS:-
RS:遠視Lv.5 邪悪魔法Lv.3
NS : -
ードロップー
闇魔石
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名前 : エニューオ
種族 : 魔族
ーステータスー
Lv.30
HP : 230
MP:250
攻撃力:60
俊敏力:105
魔法攻撃力:120
知力:110
物防:30
魔防:90
ーアビリティー
EXS:-
US : -
SS:-
RS:遠視Lv.5 邪悪魔法LV.3
NS : -
ードロップー
闇魔石
--------------------------------------
名前 : ディノ
種族 : 魔族
ーステータスー
Lv.30
HP : 230
MP:250
攻撃力:60
俊敏力:105
魔法攻撃力:120
知力:110
物防:30
魔防:90
ーアビリティー
EXS:-
US : -
SS:-
RS:遠視Lv.5 邪悪魔法Lv.3
NS : -
ードロップー
闇魔石
--------------------------------------
敵は三匹! ん? どういうことだ、ステータスが一字一句全く同じだぞ。
よく分からないが、戦うしかないな.....!!
アルスは、デュランダルを構えた。
それにしても、この剣は、重たいな。まだ慣れない......。
《ギシッ》
《ギシギシーッ》
《ギシシシッ》
どうやら、何か会話しているらしい。オレには、当然分からない。
すると、前方、後方、から謎の光が見える。
《ギシーッ!》
魔物の合図と共に、邪悪魔法がアルスに放たれた。
え!? このままじゃ、死ぬ!! 死にたくない! まだ死ねない......!!!
アルスは、邪悪魔法が当たると煙に包まれ、魔法に当たる直後【New Skill】とアルスの目の前に表示された。
んっ......ぶ、ぶじなのか?
「いてっ!」
少しだけど、体が痛い。
オレのライフからすると、死んでも同然。
ってことは、New Skillってのは、多分だけど何らかの耐性を覚えたのか......?
すると、魔物たちは困惑していた。
《ギシ?》
次は、オレの番だ! この煙が晴れたと同時に、光を放たれた方向に攻撃するとしよう。
アルスは、慎重に構える。煙が消えていく。
......今だ!!
《スパンッ》
くそ、外した!......お!
すると、辺りの霧が晴れてきた。
目の前には、魔物というより老婆三人が囲っていた。
その姿はこんな感じ。
一匹目の魔物<パムレド>は、片目がなく、窶れていて不気味な笑みを浮かべている。
二匹目の魔物<エニューオ>は、くり抜かれかの様に両目がなく、少し太っている。
三匹目の魔物<ディノ>は、同じく両目がなく、フードを被り、笑みを浮かべている。
なんだ、この不気味な奴らは! どうしようか......このままじゃまた攻撃されてライフがゼロになるだけだ。
そうしていると、魔物達が持っている杖をこちらに向けてきた。
すると、さっきの謎の光がどんどん大きくなっていくのが分かる。
このままじゃまた同じ目に!!
《ギシーッ!》
パムレドの合図と共に三つの杖から邪悪魔法が放たれた。
危ない!!
アルスは、パムレドから迫る邪悪魔法は剣で防御したが、後ろのエニューオの魔法が当たり、ディノの魔法は、外れ、パムレドに当たった。
いてぇ! ......背中が焼ける様に熱い。でも、何とかまだ耐えられる痛みだ。
しかし、なぜ後ろの一匹は、魔法を外した?
《ギシャァァア》
前方にいる、パムレドにディノの邪悪魔法が直撃し、顔を抑え、踠いている。
「ここだー!!」
《グサッ》
アルスは、デュランダルで、パムレドに突き刺した。
《ギシシャアアァ......》
《シュワ〜》
【闇魔石】がドロップした。
よし! ......ん? 他の奴らが攻撃してこないな。というより、頭を抱え困惑している様に思える。
でもチャンスだ! 今しかない!!
アルスは、魔物二匹が困惑している中、切り倒していく。
《シュワ〜》
ふぅ......。さすがに三対一はキツイ......。
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ースリン山(上部)ー
結構歩いてきたな.....。
霧が再度濃くなってきた。
「んーーっ?」
アルスは、奥にある何かを目を凝らして見ていた。
何だあれは、家......??