第六話 「魔石に秘めた力」
まず、どう戦う!?
まともに攻撃しても負けるだけだ。
攻撃を避けて隙を見るしかない!
すると、ゴブリンキングが腕を振りかざし攻撃してきた。
《ドンッ......ゴゴゴゴッ》
攻撃は交わしたが拳が地面に当たり地響きが凄い。
こんなのまともに当たると即死だぞ! どーしようか、相手に隙が全く生まれない......
ゴブリンキングは無作為に攻撃し始めた。
《ドンッドンッドンッ》
これじゃ切りが無い、攻撃するしかないな。
アルスは決心し、攻撃することにした。
どうしようか、腕を狙う?それとも足を狙うか。
アルスは腰を下ろし構え、短剣を抜いた。足を狙い隙を見て短剣を突き刺した。
《キンッ》
ところが、皮膚が硬く、短剣が折れた。
まずいぞ! もう、手出しできない......!!!
そうしていると、ゴブリンキングがアルスに攻撃してきた!
咄嗟にアルスは後ろに背負っているデュランダルを構える。
《ガンッ》
《ウオオォォ》
ゴブリンキングはその剣に触れた途端叫び出し、右手の拳が溶けたように無くなった。
な、なんだこれ!! なんて強さなんだ!
これなら行けるぞ......!!
アルスはデュランダルの秘めた強さに驚きを隠せなかった。
ゴブリンキングは怒りだし次は左の腕を振りかざし、アルスを狙い攻撃してきた......が、アルスはデュランダルでガードし、ゴブリンキングの左手は溶け、叫び出す。
怖いくらい強い......! 一気にトドメだ!!
「おりゃー!!」
アルスは、重たいデュランダルをゴブリンキングの胸に突き刺す。
《ウ、ウゥゥ......》
《シュワ〜》
よ、よっしゃー!!!た、たおしたんだ、オレが!
するとゴブリンキングから【ゴブリンの目玉】【ゴブリンの爪】【火魔石】がドロップした。
これが、ドロップアイテム! しかし、何に使うんだろう?
そうだ、彼奴を追いかけよう。
アルスはフィーツを追いかけることにした。
すると、洞窟を抜けたところの看板にフィーツが座っていた。
「フィーツ! こっちはお陰で大変だったんだぞ」
フィーツは、少し震えていた。
「わ、わるかった......先に突っ走って。......で、ゴブリンキングからどうやって逃げてきたんだ?」
「へっへ〜ん」
アルスは、ゴブリンキングからドロップしたアイテムを見せつけた。
「た、た、倒したのか!?」
「そうだよ、すごいだろ! ところでさ、質問があるんだけど、この石とかって何に使うんだ?」
「え!? お前、冒険者だろ? それくらい理解しとけよ」
「えへへ......」
「じゃあ、教えてやる。まず、ゴブリンの爪、目玉には価値があって、売却したら硬貨になる。それか、合成で何らかのアイテムを作るかだな。そして、魔石だ」
「この赤い石?」
「そう、その石が重要なんだ。魔石には魔物からドロップするアイテムで結構レアなアイテムなんだ。魔石には種類があってそれは赤いから、火魔石ってとこだな。自分の属性に合った魔石を砕くと、砕いた本人に魔力が吸収されるんだ。魔力を吸収すると、属性の力がアップし、色々な術、魔法などを覚えることができるんだ。まぁ自分と違う属性の魔石を砕いても少しは、アップするけどな」
「なるほど。異世界っぽくなってきた」
「い、いせかい?」
「いや、何でもない! これ砕いてみるよ!」
「お、おう」
アルスはデュランダルを手にし、魔石に向け振りかざした。
《パキンッ》
すると、割れた魔石が謎の光に変わりアルスの体に吸い付くように吸収されていく。
「うわぁ!」
「おぉ〜、俺も初めてみたぜ」
特に体に変化はない。
「ん......? 何もならないよ」
「そりゃそうだろ、もっともーっと吸収しないと」
「あ、そうなんだ」
「よっしゃ、俺も負けてらんねぇ。じゃあなアルス! 俺はこれで行くよ、あの時はわるかったな」
フィーツは、立ち上がり逃げるように街の方向に走って行った。
あぁ、また一人になった......。
オレも街へ行ってみよう。
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ーベリアル街ー
「街に着いたけど、何をしよう......」
ヴァトスさんがいないとすることもないし、何もわからない。
「おや、そこの坊主。すごくいい武器持ってるね〜」
武器を売っているおじさんが話しかけてきた。
「は、はい......」
「よし、お前に決めた。坊主よ、ちょっと頼みたいことがあってよ〜、いいか?」
「はい、」
「そう困った顔するな、頼みごと手伝ってくれたら、きっと坊主に役立つものあげるからさ」
何だ? オレに役立つものって......。
「どうしても今日中にある素材が欲しくてよ〜、それはな、サイクロプスの角なんだ! サイクロプスは、魔物の中でいい角が生えてるんだ。頼むサイクロプスを倒して来てくれ!!」
さ、サイクロプス......!!!