第二話 「不幸な新人冒険者」
〜クリステル〜
時間は少し遡り二時間前。
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「ふぅ〜よく寝た」
「おはよう、アルス」
「おはよう、シルフおばさん」
この人は、僕が赤ちゃんの時に拾ってくれた孤児院のシルフおばさんだ。
「アルス、今日からやっと冒険者だね!」
男はみんな14歳になると冒険者になるのが当たり前だそう。この施設では、冒険者になると巣立たなければならない。
「冒険者かぁ〜......」
「どうしたの? 嬉しくないのかい?」
「だって僕、スキル全然使えないし...... 使えるのは、鑑定能力くらいだよ?」
「いいじゃない、アルスは人一倍鑑定能力優れてるでしょ。その内いい仲間が見つかって、きっと役に立つわよ」
「そうかなぁ......よし!シルフおばさん! 僕、頑張ってみるよ!」
シルフおばさんは、暖かい笑みを浮かべた。
今日から僕も冒険者だ。まず、準備をしないと。とりあえず自分のステータス見てみるか。
アルスは、【鑑定能力】を使いこう表示された。
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名前 :アルス
種族:ヒューマン
年齢:14
職業:ー 『RANK 0』
属性:ー
ーステータスー
Lv.4
HP:50
MP:80
攻撃力:20
俊敏力:30
魔法攻撃力:10
知力:40
物防:10
魔防:5
ースキルー
EXS:-
US: 鑑定Lv.2
SS:-
RS:-
NS : 剣術Lv.1
ー加護ー
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まだレベル4か、とりあえずギルド施設に行って冒険者登録だな。
アルスは準備を済ませギルド施設に向かった。
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ーギルド施設ー
よーし、到着!なんだかんだで緊張するなぁ。
これから仲間達と楽しい冒険が待ってるんだろうなぁ。
「冒険者登録の受付はここですか?」
「はい! ここで合っていますよ! 冒険者登録ですね!じゃあまず、ここに(用紙)に<氏名><年齢><職業><得意なスキル>を書いてください!」
「なるほど。意外と面倒くさいんだな」
アルスは、冒険者登録用紙を書き終えた。
「あと、冒険者登録手数料は銀硬貨1枚になりまーす!」
よかった。施設を出る時シルフおばさんに金硬貨一枚もらったんだ。
ちなみに硬貨の仕組みはこうなっている。
銅硬貨10枚→銀硬貨1枚
銀硬貨100枚→金硬貨1枚
金硬貨100枚→白硬貨1枚となっている。
「はい。これで登録できますか?」
「ありがとうございましたー!冒険者登録完了です!わぉ!すごいですね、鑑定のスキルをお持ちなんですね!!」
「そうなんです。昔からこのスキルしか使えなくて......でも僕は、これから色々なスキルを覚え立派な冒険者になりたいんです!」
「それは頼もしいですね! 頑張ってください! これであなたも冒険者ですよ!それでは、冒険者になるにあたって説明しますね」
これは大事だな、ちゃんと聞いておこう。
「まずですね、冒険者にはランクがあり、こうなっております! 冒険者F→E→D→C→B→A→S→SSそして、未だかつて1人しか昇格した事がない“SSS“があります!」
SSSかぁ〜。
「冒険者のランクを上げるにはどうしたらいいの?」
「それはですね、基本は、自分のランクに合った依頼を10個以上達成すると昇格できますよ」
「わかりました、ありがとうございました」
アルスは冒険者登録を終え、パーティ募集の掲示板を見ていた。
「よぉ、そこの新人」
「は、はい」
自分よりももの凄くでかい身体の人が1人とスラっとしたイケメンが1人と優しそうな女の人が1人来た。
強そうだなぁ、少し鑑定してみよう。
アルスは【鑑定能力】を使いこう表示された。
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名前 :ロイ・ニコラス
種族:ヒューマン
年齢:27
職業:重剣士 『RANK 1』
称号 :冒険者E
属性:火属性
ーステータスー
Lv.21
HP:216
MP:32
攻撃力:98
俊敏力:23
魔法攻撃力:15
知力:30
物防:70
魔防:35
ースキルー
EXS:-
US:-
SS:-
RS:気配察知Lv.3
NS : 剣術Lv.6
ー加護ー
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名前 :アハラム・スレイク
種族:ヒューマン
年齢:24
職業 : 槍使い 『RANK 0』
称号 :冒険者E
属性:風属性
ーステータスー
Lv.23
HP:180
MP:120
攻撃力:73
俊敏力:52
魔法攻撃力:38
知力:53
物防:36
魔防:32
ースキルー
EXS:-
US:-
SS:身体強化Lv.4
RS:-
NS : 槍術Lv.6剣術Lv.4
ー加護ー
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名前 :ミサ・タークス
種族:ヒューマン
年齢:25
職業:魔法使い 『RANK 0』
称号 :冒険者E
属性:光属性
ーステータスー
Lv.20
HP:120
MP:190
攻撃力:42
俊敏力:50
魔法攻撃力:79
知力:60
物防:20
魔防:50
ースキルー
EXS:-
US:-
SS:-
RS:回復魔法Lv.5
NS : 基本魔法Lv.3
ー加護ー
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やっぱすごいや。
「俺らと、パーティ組まないか? お前、鑑定能力使えるそうじゃないか、さっき小耳に挟んだぞ」
でかい身体の人が喋り掛けてきた。
「え、いいの? 僕、本当に新人冒険者だよ?」
すると、優しそうな女の人が喋りかけてきた。
「ええ、大歓迎だわ、、、あとね、君の鑑定能力を使ってお願いしたいことがあるの」
「な、なに?」
「私には、弟がいてね、今流行っている伝染病にかかったの。治すには、エターナルスネークを倒してそいつからレアドロップするアイテムが必要なの、、、そこで君の能力を使ってどのエターナルスネークを倒すか調べて欲しいの」
確かに、モンスターからドロップする素材が鑑定で観れる。
「わかった! ぜひ協力させてもらうよ!」
アルスはパーティーに参加した。
「自己紹介するね! 私は、ミサ!そしてこの人がア「アハラムさん、こっちの方がロイさんだよね!僕は、アルス!よろしくね!」
「流石の鑑定能力だな」
アルス達は自己紹介を終え、ヤンガル高原に向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ーヤンガル高原ー
20分くらい歩いたかな。もうそろそろ目的の場所だ。
すると、ロイが凄い形相になっている。
「動くな! 近くにエターナルスネークがいるぞ! 三匹...いや五匹か!お前ら、戦闘準備しろー!」
これは大変なことになった。エターナルスネークは思ってた以上に物凄くでかいんだな、、、。
アルスは、初めて見るモンスターに硬直状態になっていた。
アハラムは、槍を使い、ミサは、魔術を使い、ロイはみんなの盾になっていた。
4匹倒しみんなHPが削られている。
そうしている内にロイは、【気配察知】を使いある事に気付いた。
「いや、待てよ。おい!もう一匹いるぞ! アルス後ろ!!!!」
そこには、通常の3倍は大きいエターナルスネークが、牙をむき出し口を大きく開いていた。
え、、、、。
「おい! アルス逃げろ!!」
アルスは、背後に迫っていたエターナルスネークに丸呑みされ、どんどん飲み込まれていくのが分かる。